ヨブ記 3 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

第3章

1. この後、ヨブは口を開いて、自分の生れた日をのろった。

2. すなわちヨブは言った、

3. 「わたしの生れた日は滅びうせよ。『男の子が、胎にやどった』と言った夜もそのようになれ。

4. その日は暗くなるように。神が上からこれを顧みられないように。光がこれを照さないように。

5. やみと暗黒がこれを取りもどすように。雲が、その上にとどまるように。日を暗くする者が、これを脅かすように。

6. その夜は、暗やみが、これを捕えるように。年の日のうちに加わらないように。月の数にもはいらないように。

7. また、その夜は、はらむことのないように。喜びの声がそのうちに聞かれないように。

8. 日をのろう者が、これをのろうように。レビヤタンを奮い起すに巧みな者が、これをのろうように。

9. その明けの星は暗くなるように。光を望んでも、得られないように。また、あけぼののまぶたを見ることのないように。

10. これは、わたしの母の胎の戸を閉じず、また悩みをわたしの目に隠さなかったからである。

11. なにゆえ、わたしは胎から出て、死ななかったのか。腹から出たとき息が絶えなかったのか。

12. なにゆえ、ひざが、わたしを受けたのか。なにゆえ、乳ぶさがあって、わたしはそれを吸ったのか。

13. そうしなかったならば、わたしは伏して休み、眠ったであろう。そうすればわたしは安んじており、

14. 自分のために荒れ跡を築き直した地の王たち、参議たち、

15. あるいは、こがねを持ち、しろがねを家に満たした君たちと一緒にいたであろう。

16. なにゆえ、わたしは人知れずおりる胎児のごとく、光を見ないみどりごのようでなかったのか。

17. かしこでは悪人も、あばれることをやめ、うみ疲れた者も、休みを得、

18. 捕われ人も共に安らかにおり、追い使う者の声を聞かない。

19. 小さい者も大きい者もそこにおり、奴隷も、その主人から解き放される。

20. なにゆえ、悩む者に光を賜い、心の苦しむ者に命を賜わったのか。

21. このような人は死を望んでも来ない、これを求めることは隠れた宝を掘るよりも、はなはだしい。

22. 彼らは墓を見いだすとき、非常に喜び楽しむのだ。

23. なにゆえ、その道の隠された人に、神が、まがきをめぐらされた人に、光を賜わるのか。

24. わたしの嘆きはわが食物に代って来り、わたしのうめきは水のように流れ出る。

25. わたしの恐れるものが、わたしに臨み、わたしの恐れおののくものが、わが身に及ぶ。

26. わたしは安らかでなく、またおだやかでない。わたしは休みを得ない、ただ悩みのみが来る」。