ヨブ記 10 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

第10章

1. わたしは自分の命をいとう。わたしは自分の嘆きを包まず言いあらわし、わが魂の苦しみによって語ろう。

2. わたしは神に申そう、わたしを罪ある者とされないように。なぜわたしと争われるかを知らせてほしい。

3. あなたはしえたげをなし、み手のわざを捨て、悪人の計画を照すことを良しとされるのか。

4. あなたの持っておられるのは肉の目か、あなたは人が見るように見られるのか。

5. あなたの日は人の日のごとく、あなたの年は人の年のようであるのか。

6. あなたはなにゆえわたしのとがを尋ね、わたしの罪を調べられるのか。

7. あなたはわたしの罪のないことを知っておられる。またあなたの手から救い出しうる者はない。

8. あなたの手はわたしをかたどり、わたしを作った。ところが今あなたはかえって、わたしを滅ぼされる。

9. どうぞ覚えてください、あなたは土くれをもってわたしを作られた事を。ところが、わたしをちりに返そうとされるのか。

10. あなたはわたしを乳のように注ぎ、乾酪のように凝り固まらせたではないか。

11. あなたは肉と皮とをわたしに着せ、骨と筋とをもってわたしを編み、

12. 命といつくしみとをわたしに授け、わたしを顧みてわが霊を守られた。

13. しかしあなたはこれらの事をみ心に秘めおかれた。この事があなたの心のうちにあった事をわたしは知っている。

14. わたしがもし罪を犯せば、あなたはわたしに目をつけて、わたしを罪から解き放されない。

15. わたしがもし悪ければわたしはわざわいだ。たといわたしが正しくても、わたしは頭を上げることができない。わたしは恥に満ち、悩みを見ているからだ。

16. もし頭をあげれば、あなたは、ししのようにわたしを追い、わたしにむかって再びくすしき力をあらわされる。

17. あなたは証人を入れ替えてわたしを攻め、わたしにむかってあなたの怒りを増し、新たに軍勢を出してわたしを攻められる。

18. なにゆえあなたはわたしを胎から出されたか、わたしは息絶えて目に見られることなく、

19. 胎から墓に運ばれて、初めからなかった者のようであったなら、よかったのに。

20. わたしの命の日はいくばくもないではないか。どうぞ、しばしわたしを離れて、少しく慰めを得させられるように。

21. わたしが行って、帰ることのないその前に、これを得させられるように。わたしは暗き地、暗黒の地へ行く。

22. これは暗き地で、やみにひとしく、暗黒で秩序なく、光もやみのようだ」。