1. エジプトを出てから三か月後、イスラエル人はシナイ半島に入りました。
4. 『おまえたちはわたしがエジプト人に何をしたか見た。 わしの翼に乗せるようにして、おまえたちをわたしのところへ連れて来たのを見た。
5. もしわたしに従い、契約を守るなら、おまえたちは地上のあらゆる国々の中にあって、わたしの大切な国民となる。 全世界はわたしのものだからだ。
6. おまえたちは神に仕える祭司の国、聖なる国民となる。』」
7. モーセは山から帰ると指導者たちを呼び集め、神様のおことばを伝えました。
8. 「神様がせよと言われることは、必ずそのとおり行ないます。」 一同は口をそろえて答えました。
9. モーセがそのことばを伝えると、神様はモーセに命じました。「わたしは厚い雲の中からおまえと会おう。 おまえと話す時、皆もわたしの声を自分の耳で聞けるようにしよう。 そうすれば、彼らはいつもおまえを信じるだろう。
10. さあ、山を降りなさい。 わたしが行ってもいいように、人々に準備をさせなさい。 今日と明日、特別に身をきよめ、衣服を洗うように言いなさい。
11. あさって、わたしは人々がみな見守る中で、シナイ山に降りる。
12. まちがってそこへ足を入れたりしないよう、周囲に境界線を引きなさい。 そしてこう言うのだ。 『気をつけなさい。 山へ登ってはならない。 境界線に触れるだけでもいけない。 万一そんなことをしたら命はないものと思え。
13. いいか、決して手を触れるな。 さもないと、人であろうと動物であろうと、石で打ち殺されるか、刺し殺されるかだ。』 雄羊の角笛が長く響き渡るのを聞くまで、山へは絶対近づかないように。 角笛が鳴ったら山へ登ってかまわない。」
14. モーセは山を降り、人々のところへ帰ると、さっそく身をきよめ、衣服を洗うように言いました。
15. 「二日後に神様がおいでになるから、準備をしなさい。 夫婦生活も慎むように。」
16. いよいよ三日目です。 朝から恐ろしい嵐になりました。 雷は耳をつんざき、いなずまは宙を走ります。 厚い雲が重く山に垂れこめ、雄羊の角笛のような大きな音が長く響き渡りました。 あまりの恐ろしさに、人々はみな震え上がりました。
17. 神様をお迎えしなければなりません。 モーセは人々をうながして野営地を出、全員が山のふもとに立ちました。
18. 見ると、シナイ山全体が煙に包まれています。 神様が山の上に、火となって下られたのです。 煙は、まるで炉に燃えさかる火のように空に渦を巻き、山全体が強い地震で揺れ動きました。