使徒行伝 7:18-33 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

18. やがて、ヨセフのことを知らない別な王が、エジプトに起った。

19. この王は、わたしたちの同族に対し策略をめぐらして、先祖たちを虐待し、その幼な子らを生かしておかないように捨てさせた。

20. モーセが生れたのは、ちょうどこのころのことである。彼はまれに見る美しい子であった。三か月の間は、父の家で育てられたが、

21. そののち捨てられたのを、パロの娘が拾いあげて、自分の子として育てた。

22. モーセはエジプト人のあらゆる学問を教え込まれ、言葉にもわざにも、力があった。

23. 四十歳になった時、モーセは自分の兄弟であるイスラエル人たちのために尽すことを、思い立った。

24. ところが、そのひとりがいじめられているのを見て、これをかばい、虐待されているその人のために、相手のエジプト人を撃って仕返しをした。

25. 彼は、自分の手によって神が兄弟たちを救って下さることを、みんなが悟るものと思っていたが、実際はそれを悟らなかったのである。

26. 翌日モーセは、彼らが争い合っているところに現れ、仲裁しようとして言った、『まて、君たちは兄弟同志ではないか。どうして互に傷つけ合っているのか』。

27. すると、仲間をいじめていた者が、モーセを突き飛ばして言った、『だれが、君をわれわれの支配者や裁判人にしたのか。

28. 君は、きのう、エジプト人を殺したように、わたしも殺そうと思っているのか』。

29. モーセは、この言葉を聞いて逃げ、ミデアンの地に身を寄せ、そこで男の子ふたりをもうけた。

30. 四十年たった時、シナイ山の荒野において、御使が柴の燃える炎の中でモーセに現れた。

31. 彼はこの光景を見て不思議に思い、それを見きわめるために近寄ったところ、主の声が聞えてきた、

32. 『わたしは、あなたの先祖たちの神、アブラハム、イサク、ヤコブの神である』。モーセは恐れおののいて、もうそれを見る勇気もなくなった。

33. すると、主が彼に言われた、『あなたの足から、くつを脱ぎなさい。あなたの立っているこの場所は、聖なる地である。

使徒行伝 7