使徒行伝 7:14-31 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

14. ヨセフは使をやって、父ヤコブと七十五人にのぼる親族一同とを招いた。

15. こうして、ヤコブはエジプトに下り、彼自身も先祖たちもそこで死に、

16. それから彼らは、シケムに移されて、かねてアブラハムがいくらかの金を出してこの地のハモルの子らから買っておいた墓に、葬られた。

17. 神がアブラハムに対して立てられた約束の時期が近づくにつれ、民はふえてエジプト全土にひろがった。

18. やがて、ヨセフのことを知らない別な王が、エジプトに起った。

19. この王は、わたしたちの同族に対し策略をめぐらして、先祖たちを虐待し、その幼な子らを生かしておかないように捨てさせた。

20. モーセが生れたのは、ちょうどこのころのことである。彼はまれに見る美しい子であった。三か月の間は、父の家で育てられたが、

21. そののち捨てられたのを、パロの娘が拾いあげて、自分の子として育てた。

22. モーセはエジプト人のあらゆる学問を教え込まれ、言葉にもわざにも、力があった。

23. 四十歳になった時、モーセは自分の兄弟であるイスラエル人たちのために尽すことを、思い立った。

24. ところが、そのひとりがいじめられているのを見て、これをかばい、虐待されているその人のために、相手のエジプト人を撃って仕返しをした。

25. 彼は、自分の手によって神が兄弟たちを救って下さることを、みんなが悟るものと思っていたが、実際はそれを悟らなかったのである。

26. 翌日モーセは、彼らが争い合っているところに現れ、仲裁しようとして言った、『まて、君たちは兄弟同志ではないか。どうして互に傷つけ合っているのか』。

27. すると、仲間をいじめていた者が、モーセを突き飛ばして言った、『だれが、君をわれわれの支配者や裁判人にしたのか。

28. 君は、きのう、エジプト人を殺したように、わたしも殺そうと思っているのか』。

29. モーセは、この言葉を聞いて逃げ、ミデアンの地に身を寄せ、そこで男の子ふたりをもうけた。

30. 四十年たった時、シナイ山の荒野において、御使が柴の燃える炎の中でモーセに現れた。

31. 彼はこの光景を見て不思議に思い、それを見きわめるために近寄ったところ、主の声が聞えてきた、

使徒行伝 7