6. 片手に物を満たして平穏であるのは、両手に物を満たして労苦し、風を捕えるのにまさる。
7. わたしはまた、日の下に空なる事のあるのを見た。
8. ここに人がある。ひとりであって、仲間もなく、子もなく、兄弟もない。それでも彼の労苦は窮まりなく、その目は富に飽くことがない。また彼は言わない、「わたしはだれのために労するのか、どうして自分を楽しませないのか」と。これもまた空であって、苦しいわざである。
9. ふたりはひとりにまさる。彼らはその労苦によって良い報いを得るからである。
10. すなわち彼らが倒れる時には、そのひとりがその友を助け起す。しかしひとりであって、その倒れる時、これを助け起す者のない者はわざわいである。
11. またふたりが一緒に寝れば暖かである。ひとりだけで、どうして暖かになり得ようか。