29. そこで、しいて引き止めて言った、「わたしたちと一緒にお泊まり下さい。もう夕暮になっており、日もはや傾いています」。イエスは、彼らと共に泊まるために、家にはいられた。
30. 一緒に食卓につかれたとき、パンを取り、祝福してさき、彼らに渡しておられるうちに、
31. 彼らの目が開けて、それがイエスであることがわかった。すると、み姿が見えなくなった。
32. 彼らは互に言った、「道々お話しになったとき、また聖書を説き明してくださったとき、お互の心が内に燃えたではないか」。
33. そして、すぐに立ってエルサレムに帰って見ると、十一弟子とその仲間が集まっていて、
34. 「主は、ほんとうによみがえって、シモンに現れなさった」と言っていた。
35. そこでふたりの者は、途中であったことや、パンをおさきになる様子でイエスだとわかったことなどを話した。
36. こう話していると、イエスが彼らの中にお立ちになった。〔そして「やすかれ」と言われた。〕
37. 彼らは恐れ驚いて、霊を見ているのだと思った。
38. そこでイエスが言われた、「なぜおじ惑っているのか。どうして心に疑いを起すのか。
39. わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしなのだ。さわって見なさい。霊には肉や骨はないが、あなたがたが見るとおり、わたしにはあるのだ」。〔
40. こう言って、手と足とをお見せになった。〕
41. 彼らは喜びのあまり、まだ信じられないで不思議に思っていると、イエスが「ここに何か食物があるか」と言われた。
42. 彼らが焼いた魚の一きれをさしあげると、
43. イエスはそれを取って、みんなの前で食べられた。