ルカによる福音書 19:6-24 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

6. そこでザアカイは急いでおりてきて、よろこんでイエスを迎え入れた。

7. 人々はみな、これを見てつぶやき、「彼は罪人の家にはいって客となった」と言った。

8. ザアカイは立って主に言った、「主よ、わたしは誓って自分の財産の半分を貧民に施します。また、もしだれかから不正な取立てをしていましたら、それを四倍にして返します」。

9. イエスは彼に言われた、「きょう、救がこの家にきた。この人もアブラハムの子なのだから。

10. 人の子がきたのは、失われたものを尋ね出して救うためである」。

11. 人々がこれらの言葉を聞いているときに、イエスはなお一つの譬をお話しになった。それはエルサレムに近づいてこられたし、また人々が神の国はたちまち現れると思っていたためである。

12. それで言われた、「ある身分の高い人が、王位を受けて帰ってくるために遠い所へ旅立つことになった。

13. そこで十人の僕を呼び十ミナを渡して言った、『わたしが帰って来るまで、これで商売をしなさい』。

14. ところが、本国の住民は彼を憎んでいたので、あとから使者をおくって、『この人が王になるのをわれわれは望んでいない』と言わせた。

15. さて、彼が王位を受けて帰ってきたとき、だれがどんなもうけをしたかを知ろうとして、金を渡しておいた僕たちを呼んでこさせた。

16. 最初の者が進み出て言った、『ご主人様、あなたの一ミナで十ミナをもうけました』。

17. 主人は言った、『よい僕よ、うまくやった。あなたは小さい事に忠実であったから、十の町を支配させる』。

18. 次の者がきて言った、『ご主人様、あなたの一ミナで五ミナをつくりました』。

19. そこでこの者にも、『では、あなたは五つの町のかしらになれ』と言った。

20. それから、もうひとりの者がきて言った、『ご主人様、さあ、ここにあなたの一ミナがあります。わたしはそれをふくさに包んで、しまっておきました。

21. あなたはきびしい方で、おあずけにならなかったものを取りたて、おまきにならなかったものを刈る人なので、おそろしかったのです』。

22. 彼に言った、『悪い僕よ、わたしはあなたの言ったその言葉であなたをさばこう。わたしがきびしくて、あずけなかったものを取りたて、まかなかったものを刈る人間だと、知っているのか。

23. では、なぜわたしの金を銀行に入れなかったのか。そうすれば、わたしが帰ってきたとき、その金を利子と一緒に引き出したであろうに』。

24. そして、そばに立っていた人々に、『その一ミナを彼から取り上げて、十ミナを持っている者に与えなさい』と言った。

ルカによる福音書 19