7. 次に、もうひとりに、『あなたの負債はどれだけですか』と尋ねると、『麦百石です』と答えた。これに対して、『ここに、あなたの証書があるが、八十石と書き変えなさい』と言った。
8. ところが主人は、この不正な家令の利口なやり方をほめた。この世の子らはその時代に対しては、光の子らよりも利口である。
9. またあなたがたに言うが、不正の富を用いてでも、自分のために友だちをつくるがよい。そうすれば、富が無くなった場合、あなたがたを永遠のすまいに迎えてくれるであろう。
10. 小事に忠実な人は、大事にも忠実である。そして、小事に不忠実な人は大事にも不忠実である。
11. だから、もしあなたがたが不正の富について忠実でなかったら、だれが真の富を任せるだろうか。
12. また、もしほかの人のものについて忠実でなかったら、だれがあなたがたのものを与えてくれようか。
13. どの僕でも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない」。
14. 欲の深いパリサイ人たちが、すべてこれらの言葉を聞いて、イエスをあざ笑った。
15. そこで彼らにむかって言われた、「あなたがたは、人々の前で自分を正しいとする人たちである。しかし、神はあなたがたの心をご存じである。人々の間で尊ばれるものは、神のみまえでは忌みきらわれる。
16. 律法と預言者とはヨハネの時までのものである。それ以来、神の国が宣べ伝えられ、人々は皆これに突入している。
17. しかし、律法の一画が落ちるよりは、天地の滅びる方が、もっとたやすい。
18. すべて自分の妻を出して他の女をめとる者は、姦淫を行うものであり、また、夫から出された女をめとる者も、姦淫を行うものである。