24. そこで、イエスは彼と一緒に出かけられた。大ぜいの群衆もイエスに押し迫りながら、ついて行った。
25. さてここに、十二年間も長血をわずらっている女がいた。
26. 多くの医者にかかって、さんざん苦しめられ、その持ち物をみな費してしまったが、なんのかいもないばかりか、かえってますます悪くなる一方であった。
27. この女がイエスのことを聞いて、群衆の中にまぎれ込み、うしろから、み衣にさわった。
28. それは、せめて、み衣にでもさわれば、なおしていただけるだろうと、思っていたからである。
29. すると、血の元がすぐにかわき、女は病気がなおったことを、その身に感じた。
30. イエスはすぐ、自分の内から力が出て行ったことに気づかれて、群衆の中で振り向き、「わたしの着物にさわったのはだれか」と言われた。
31. そこで弟子たちが言った、「ごらんのとおり、群衆があなたに押し迫っていますのに、だれがさわったかと、おっしゃるのですか」。
32. しかし、イエスはさわった者を見つけようとして、見まわしておられた。
33. その女は自分の身に起ったことを知って、恐れおののきながら進み出て、みまえにひれ伏して、すべてありのままを申し上げた。
34. イエスはその女に言われた、「娘よ、あなたの信仰があなたを救ったのです。安心して行きなさい。すっかりなおって、達者でいなさい」。
35. イエスが、まだ話しておられるうちに、会堂司の家から人々がきて言った、「あなたの娘はなくなりました。このうえ、先生を煩わすには及びますまい」。
36. イエスはその話している言葉を聞き流して、会堂司に言われた、「恐れることはない。ただ信じなさい」。