マタイによる福音書 26:5-23 日本語話し言葉 1955 (JA1955)

5. しかし彼らは言った、「祭の間はいけない。民衆の中に騒ぎが起るかも知れない」。

6. さて、イエスがベタニヤで、らい病人シモンの家におられたとき、

7. ひとりの女が、高価な香油が入れてある石膏のつぼを持ってきて、イエスに近寄り、食事の席についておられたイエスの頭に香油を注ぎかけた。

8. すると、弟子たちはこれを見て憤って言った、「なんのためにこんなむだ使をするのか。

9. それを高く売って、貧しい人たちに施すことができたのに」。

10. イエスはそれを聞いて彼らに言われた、「なぜ、女を困らせるのか。わたしによい事をしてくれたのだ。

11. 貧しい人たちはいつもあなたがたと一緒にいるが、わたしはいつも一緒にいるわけではない。

12. この女がわたしのからだにこの香油を注いだのは、わたしの葬りの用意をするためである。

13. よく聞きなさい。全世界のどこででも、この福音が宣べ伝えられる所では、この女のした事も記念として語られるであろう」。

14. 時に、十二弟子のひとりイスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところに行って

15. 言った、「彼をあなたがたに引き渡せば、いくらくださいますか」。すると、彼らは銀貨三十枚を彼に支払った。

16. その時から、ユダはイエスを引きわたそうと、機会をねらっていた。

17. さて、除酵祭の第一日に、弟子たちはイエスのもとにきて言った、「過越の食事をなさるために、わたしたちはどこに用意をしたらよいでしょうか」。

18. イエスは言われた、「市内にはいり、かねて話してある人の所に行って言いなさい、『先生が、わたしの時が近づいた、あなたの家で弟子たちと一緒に過越を守ろうと、言っておられます』」。

19. 弟子たちはイエスが命じられたとおりにして、過越の用意をした。

20. 夕方になって、イエスは十二弟子と一緒に食事の席につかれた。

21. そして、一同が食事をしているとき言われた、「特にあなたがたに言っておくが、あなたがたのうちのひとりが、わたしを裏切ろうとしている」。

22. 弟子たちは非常に心配して、つぎつぎに「主よ、まさか、わたしではないでしょう」と言い出した。

23. イエスは答えて言われた、「わたしと一緒に同じ鉢に手を入れている者が、わたしを裏切ろうとしている。

マタイによる福音書 26