4. パラダイスに引き上げられ、そして口に言い表わせない、人間が語ってはならない言葉を聞いたのを、わたしは知っている。
5. わたしはこういう人について誇ろう。しかし、わたし自身については、自分の弱さ以外には誇ることをすまい。
6. もっとも、わたしが誇ろうとすれば、ほんとうの事を言うのだから、愚か者にはならないだろう。しかし、それはさし控えよう。わたしがすぐれた啓示を受けているので、わたしについて見たり聞いたりしている以上に、人に買いかぶられるかも知れないから。
7. そこで、高慢にならないように、わたしの肉体に一つのとげが与えられた。それは、高慢にならないように、わたしを打つサタンの使なのである。
8. このことについて、わたしは彼を離れ去らせて下さるようにと、三度も主に祈った。
9. ところが、主が言われた、「わたしの恵みはあなたに対して十分である。わたしの力は弱いところに完全にあらわれる」。それだから、キリストの力がわたしに宿るように、むしろ、喜んで自分の弱さを誇ろう。
10. だから、わたしはキリストのためならば、弱さと、侮辱と、危機と、迫害と、行き詰まりとに甘んじよう。なぜなら、わたしが弱い時にこそ、わたしは強いからである。
11. わたしは愚か者となった。あなたがたが、むりにわたしをそうしてしまったのだ。実際は、あなたがたから推薦されるべきであった。というのは、たといわたしは取るに足りない者だとしても、あの大使徒たちにはなんら劣るところがないからである。
12. わたしは、使徒たるの実を、しるしと奇跡と力あるわざとにより、忍耐をつくして、あなたがたの間であらわしてきた。
13. いったい、あなたがたが他の教会よりも劣っている点は何か。ただ、このわたしがあなたがたに負担をかけなかったことだけではないか。この不義は、どうか、ゆるしてもらいたい。
14. さて、わたしは今、三度目にあなたがたの所に行く用意をしている。しかし、負担はかけないつもりである。わたしの求めているのは、あなたがたの持ち物ではなく、あなたがた自身なのだから。いったい、子供は親のために財をたくわえて置く必要はなく、親が子供のためにたくわえて置くべきである。