1. 「いとしい花嫁よ、さあ、私の庭園にやって来たよ。私は没薬とスパイスを集め、はちの巣から蜜を取って食べ、ぶどう酒とミルクを飲んでいる。」エルサレムの娘たち「愛する方たちよ、食べて飲んでください。 十分に飲んでください。」おとめ
2. 「ある夜のこと、眠っている時、夢の中で愛する方の声が聞こえるのです。 あの方は、私の寝室のドアをたたいておられました。 『いとしい人、私の恋人、私のかわいい鳩よ、開けておくれ。 夜通し外にいたので、すっかり露にぬれてしまった。』
3. ところが、私はこう答えたのです。 『もう寝間着をきてしまったのに、また着替えるのですか。 足も洗ったので、汚したくありませんわ。』
4. それでも、愛する方が鍵を開けようとなさるのを見て気の毒になり、
5. 跳び起きて、ドアを開けました。 かんぬきの取っ手を引いた時、私の手から香水が、指からかぐわしい没薬の液がしたたり落ちました。
6. ところが、せっかくお開けしたのに、もうあの方の姿は見えません。 私は心臓の止まる思いでした。どんなにあちこち捜しても、あの方は見あたらないのです。 必死にお呼びしても、返事はありません。
7. 夜警に見つかり、さんざんにたたかれました。 城壁の見張りには、ベールをはぎ取られました。
8. エルサレムの娘さん、どうか誓ってください。 私の愛する方を見かけたら、私が恋の病をわずらっていると伝えてほしいの。」エルサレムの娘たち
9. 「女性の中でいちばん美しい人よ。 それほどまでに頼み込む、だれよりもすてきな人とは、いったいどんなお方ですか。」おとめ