29. そこで私は反論しました。 『恐れることはない。
30. 神様が先頭に立って戦ってくださる。 エジプトでは力強い奇蹟を行ない、
31. そのあともずっと、まるで父親のように気を配り、荒野の旅を安全に守ってくださったことを忘れたのか。』
32-33. しかし、何を言ってもむだでした。それまでいつも共にいて、野営するのに最適の場所を選び、夜は火の柱、昼は雲の柱で、進む道を教えてくださった神様を、彼らは信じようとしなかったのです。
34-35. これには神様も腹を立てました。 おかげで、当時おとなだった者は一人も約束の国へ入れなくなりました。
36. ただ、エフネの息子カレブは別です。 神様の命令に完全に従い通したほうびに、自らスパイとして潜入した地の一部を、相続地としてもらえるのです。
37. 不信仰な者たちのために、私でさえ神様の怒りを買い、こう言い渡されました。 『おまえは約束の国へ入れない。
38. 代わりに、おまえの助手ヌンの息子ヨシュアが指導者となるのだ。 その準備ができるように励ましてやりなさい。
39. 国は、荒野で死ぬ者の子供たちに与えよう。
40. 決して、おまえたちのものにはならない。 だから、回れ右をして荒野の道を紅海の方へ戻りなさい。』
41. すると今度は、あわてて罪を告白しだしたのです。 『お赦しください。 私たちが悪かったのです。 ご命令どおり、その国に攻め入ります。』 そう言うと、簡単に全地を征服できるとでも思ったのでしょうか、あたふたと武装し始めました。
42. それでも神様は、きっぱり言われました。 『やめさせなさい。 わたしがいっしょに行かないのにむちゃをしたら、ひどい目に会うだけだ。』
43. その警告を聞き入れず、彼らはまたもや神様の命令に背いて、山地に攻め上ったのです。
44. 案の定、結果はさんざんでした。 エモリ人の迎え撃ちに会い、あべこべにセイルからホルマのあたりまで激しく追撃されたのです。
45. 逃げのびた者たちは神様に泣きつきましたが、お聞き入れにはなりません。