6. 「皆さん、今からちょうど四十年前、神様がホレブ山でこう言われたのを覚えていますか。 『もうこれ以上、ここにいる必要はない。
7. 出発しなさい。 エモリ人の山地、アラバ渓谷、ネゲブ、カナンとレバノンの全土、つまり地中海からユーフラテス川までの全地域を占領するのだ。
8. わたしが与えると言うのだから遠慮はいらない。 どんどん入って行きなさい。 そこが、昔おまえたちの先祖アブラハム、イサク、ヤコブおよびその子孫に、いつか必ず与えると約束した国だからだ。』
9. あの時、私は皆さんにこう訴えました。 『私一人じゃ、これから先、とても全員のめんどうを見きれない。 どうしても助手がいる。
19-21. それからホレブ山を発って、恐ろしく果てしもない荒野を旅し、神様のお守りのもとにエモリ人の山地に着きました。 そしてついに、約束の国との境にあるカデシュ・バルネアまで行ったのです。 あそこで私は、『神様がこの国を下さったのだから、ご命令どおり前進して占領しなさい。 恐れたり疑ったりしてはいけない』と告げました。
22. これに対してみんなは、『まずスパイを送り込もう。 いちばん攻めやすい町から占領したほうがいい』と提案したのです。
23. もっともなので、各部族から一名ずつ、全部で十二名のスパイを選びました。
24-25. 彼らは山地に潜入し、エシュコルの谷まで行くと、その地のくだものを持ち帰りました。 それを見て、神様の下さった地が実に良い地であることが、はっきりわかりました。
26. ところが、みんなは神様の命令に逆らい、前進したくないと言いだしたのです。
27. そして、テントの中でぶつぶつ不平を言いました。 『神様はきっと、私たちがおきらいなんだ。 だから、わざわざエジプトから連れ出し、エモリ人の手にかけて殺そうとしておられるんだ。
28. どうしよう。 スパイの報告じゃ、やつらは背が高く、力もあり、町の城壁はおっそろしく高いっていうじゃないか。 おまけに、アナク人の子孫の巨人を見たとも言ってた。 考えただけでもぞっとする。』
29. そこで私は反論しました。 『恐れることはない。
30. 神様が先頭に立って戦ってくださる。 エジプトでは力強い奇蹟を行ない、
31. そのあともずっと、まるで父親のように気を配り、荒野の旅を安全に守ってくださったことを忘れたのか。』
32-33. しかし、何を言ってもむだでした。それまでいつも共にいて、野営するのに最適の場所を選び、夜は火の柱、昼は雲の柱で、進む道を教えてくださった神様を、彼らは信じようとしなかったのです。
34-35. これには神様も腹を立てました。 おかげで、当時おとなだった者は一人も約束の国へ入れなくなりました。
36. ただ、エフネの息子カレブは別です。 神様の命令に完全に従い通したほうびに、自らスパイとして潜入した地の一部を、相続地としてもらえるのです。