31. その時バラムの心の目が開き、剣を抜いて行く手に立ちはだかっている神様の使いが見えました。 バラムはびっくりして、その方の前にひれ伏しました。
32. 「なぜ、ろばを三度もぶったのか。 おまえが破滅の道を進んでいるので、止めに来てやったのだ。
33. ろばはわたしを見て、三度ともしりごみした。 そうでもしなかったら、今ごろは、ろばは助かっても、おまえの命はなかったのだぞ。」
34. 「私がまちがっておりました。 お赦しください。 神様のお使いがおいでになろうとは、気がつきませんでした。 これ以上進むなと申されるなら、引き返します。」
35. 「いや、このまま行け。 ただし、わたしが命じることだけを言うのだ。」バラムは一行と旅を続けました。