29. 「おれをばかにしたからだ。 剣があれば、切り殺してやるところだ。」
30. 「でも、これまでに、私が一度でもこんなことをしたでしょうか。」「いや、ない。」
31. その時バラムの心の目が開き、剣を抜いて行く手に立ちはだかっている神様の使いが見えました。 バラムはびっくりして、その方の前にひれ伏しました。
32. 「なぜ、ろばを三度もぶったのか。 おまえが破滅の道を進んでいるので、止めに来てやったのだ。
33. ろばはわたしを見て、三度ともしりごみした。 そうでもしなかったら、今ごろは、ろばは助かっても、おまえの命はなかったのだぞ。」