2. ところが、そこには飲み水が十分ありません。 またまた不満が爆発しました。 モーセとアロンをつるし上げようと、人々がぞくぞく詰めかけ、
3. 抗議の集会を開きました。「あのとき神様に殺された者たちといっしょに、死んじまえばよかった。
4. あんたたちの魂胆はわかってるぜ。 わざとこの荒野におれたちを連れ出し、家畜もろとも皆殺しにしようってんだろう。
5. 何の恨みがあって、おれたちをエジプトからこんなひどい所に連れて来たんだ。 すばらしい土地があるとかぬかしてたが、いったいどこだい。 いちじくやぶどうやざくろが山ほど採れるって? へん、笑わせるな。 飲み水もないじゃないか!」
6. モーセとアロンは神の天幕の入口に引き返し、神様の前にひれ伏しました。 すると、どうでしょう。 神様の栄光が輝き渡ったのです。
7. 神様はモーセに命じました。
8. 「アロンの杖を取り、二人で人々を集めなさい。 みんなの目の前で、向こうにある岩に『水を出せ』と命じるのだ。 その水を、みんなにも家畜にも欲しいだけ飲ませなさい。」
9. モーセは指図どおりにしました。 聖所の奥の神様の前に置いてあった杖を取り、
14-15. カデシュにいる間に、モーセはエドムの王のところへ使いを出しました。 「王様、私どもはお身内も同然でございます。 私どもの先祖ヤコブは、あなた様のご先祖エサウ様の弟でした。 ご存じのように、私どもはずいぶん悲しい思いをしてまいりました。 事情があってエジプトへ行きましたが、長く住んでいるうちに奴隷にされてしまったのです。
16. あまりの苦しさに、神様に助けを求めたほどです。 そして、やっと念願がかないました。 神様が一人の御使いを遣わし、私どもをエジプトから連れ出してくださったのです。 いま私どもは、お国との境にあるカデシュに野営しております。
17. どうぞ、お国を通らせてください。 畑やぶどう園は荒らさないように、十分気をつけます。 井戸の水も飲みません。 国境を越えるまでは、ただまっすぐ街道を進み、決してわき道にそれたりはいたしません。」
18. しかし王は、すげなく突っぱねました。 「だめだ、許可できん。 わが国に一歩でも踏み込んだら、軍隊を出動させるぞ。」
19. 「そうおっしゃらず、何とかお許し願えないでしょうか。 街道からは絶対にそれませんし、水も飲みません。 どうしても飲ませていただかなければならない時は、きちんと代金をお払いします。 ただ通らせていただければよいのです。 決して他意はございません。」
20. 「だめと言ったらだめだ。」 王はあくまでも聞き入れません。 そして警告どおり、大軍をくり出して国境の守りをがっちり固めました。
21-22. これではどうにもなりません。 人々は引き返し、カデシュからホル山へ移りました。
23. エドムとの国境で、神様はモーセとアロンに命じました。
24. 「アロンはもうじき死ぬ。 約束の国へ入ることはできない。 あなたがた二人がメリバの水のことで、わたしの指図に従わなかったからだ。
25. さあ、アロンとその息子エルアザルを連れてホル山に登りなさい。