17. 香を入れた香炉を忘れるな。 一人一個ずつ、二百五十個用意するのだ。 アロンも自分のを持って来る。」
18. 彼らはそのとおりにしました。 香炉を持ち、火をつけ、モーセとアロンといっしょに、神様の天幕の入口に立ちました。
19. 事の成り行きを見届けようと、全国民が集まっています。 コラは彼らをけしかけ、モーセとアロンに逆らわせようとしました。 と、その時です。 さっとあたりが明るくなり、
20. 神様の声が響きました。
21. 「モーセとアロン、この連中から離れろ。 わたしは今すぐ彼らを滅ぼす。」
22. しかしモーセとアロンは、神様の前にひれ伏して願いました。 「ああ、神様。 世界にただ一人の神様。 たった一人の罪のために、すべての人を罰するのですか。」
23-24. すると神様は、モーセに答えました。 「わかった。 それなら、人々にコラとダタンとアビラムのテントから離れるように言え。」
25. モーセはダタンとアビラムのテントに走って行きました。 二百五十人の指導者もいっしょです。
26. モーセは叫びました。 「急いでそのテントを離れろ。 連中の持ち物にさわるな。 さもないと、仲間ということで殺されてしまうぞ。」
27. 驚いた人々は、コラとダタンとアビラムのテントから離れました。ダタンとアビラムは、妻や子供たちを連れてテントを出、入口に立ちました。
28. モーセは宣言します。 「これから起こることを見れば、神様が私を遣わされたことが、はっきりわかるだろう。 私はこれまで、自分の考えでやってきたのではない。
29. いいか、もしこの者たちがありきたりの事故や病気で死んだら、うそをついたのは私のほうだ。
30. しかし、神様が奇蹟を起こして地面を裂き、彼らをテントもろとものみ込み、生きたまま地獄に落とされたら、神様を冒涜したのは、彼らのほうだ。」
31. こう言い終わるか終わらないうちに、なんとコラたちの足もとの地面がぱっくり裂け、
32. いっしょにいた家族、友人を、テントもろとも、のみ込んでしまったではありませんか。
33. 彼らは一人残らず、生きたまま地獄に落ち、地の底に閉じ込められたのです。
34. 人々はみな、彼らの苦しみ叫ぶ声を聞いて、もしかしたら自分たちも……と心配になり、あちこち逃げ惑いました。
35. その時、天から火が下り、香をささげていた二百五十人を焼き殺しました。
36-37. 神様はモーセに命じました。 「祭司アロンの息子エルアザルに、香炉を火の中から取り出させなさい。 その香炉はわたしにささげられた神聖なものだからだ。
38. また、罪を犯して死んだ者たちの香炉から、火のついた香を取り出してまき散らすように言いなさい。 次に香炉を打ちたたいて一枚の板に延ばし、それで祭壇をおおいなさい。この香炉は、わたしの前で使ったから神聖なのだ。 こうしておけば、祭壇のおおいを見るたびに、このいやな出来事を思い出すだろう。」