9. 断わられてしまった。『わしゃ、神様と人とを祝福するためのオリーブ油をつくり出すのが楽しいんじゃよ。 ただ木々の上にそよいでいるだけなんて、まっぴらだ。』
10. それで、いちじくの木に、『あなたこそわれわれの王様です』と言った。
11. だが、いちじくの木も断わった。 『甘い実をならすのをやめてまで、ほかの木の上に頭をもたげようとは思わないよ。』
12. それで、ぶどうの木に、『どうか私どもを治めてください』と頼み込んだ。
13. もちろん、ぶどうの木も断わった。 『私は神様と人とを楽しませるぶどう酒をつくり出すのをやめてまで、ほかの木より偉くなろうなんて思いません。』
14. そこでとうとう、いばらに、『あんたが王様になってくれないか』と懇願した。
15. いばらは答えた。 『ほんとうにそう思うのなら、おいらの陰のもとに身を低くしてもらおうじゃないか。 それがいやなら、おいらから火が燃え上がって、レバノンの大杉まで焼き尽くしてしまうからな。』