士師記 8:23-24-35 リビングバイブル (JLB)

4.  さて、ギデオンと三百人の兵士はヨルダン川を渡りました。 かなり疲れていましたが、追撃の手はゆるめません。 

5. ギデオンは、スコテの人々に食べ物をくれるよう頼みました。 「われわれは、ミデヤン人の王ゼバフとツァルムナを追いかけているが、くたくたな上に腹ぺこなんだ。」

6.  ところが、スコテの指導者たちからは冷淡な返事が戻ってきただけです。 「まだゼバフとツァルムナを捕らえたわけじゃないんだろう。 食べ物を恵んだのに負けられでもしたら大へんだ。 あいつらはここへ来て、わしらを殺すに違いないからな。」

7.  そこでギデオンは、こう警告しました。 「神様が二人を捕らえさせてくださったあかつきには、戻って来て、野のいばらやとげで、おまえたちの肉を引き裂いてくれるわ。」

8.  それからペヌエルに上り、食糧を求めたところ、また同じ返事です。 

9. そこで、ペヌエルの人々にも警告しました。 「この戦いに決着がついたら、戻って来て、このやぐらをたたきこわしてやるからな。」

23-24. しかし、ギデオンの答えはこうでした。 「私は王になる気はない。 息子も同じだ。 神様こそあなたがたの王だ。 そこで、ひとつ聞き入れてほしいことがあるんだが、敵から分捕ったイヤリングを、全部もらえないだろうか。」 ミデヤン軍はイシュマエル人だったので、みんな金のイヤリングをつけていたのです。

25.  「どうぞ、どうぞ」と彼らは答え、布を広げると、一人一人、分捕り物のイヤリングを投げ込みました。 

26. 全部で時価七百五十万円にも相当しました。 同時に投げ込まれた三日月形の飾り、垂れ飾り、王衣、らくだの首飾りなどは別にしてもです。 

27. ギデオンはその金で、エポデ〔そでなしの上着。 普通は祭司が着るが、ここでは金の装飾がついて重く、壁にかけた〕を作り、自分の町オフラに置きました。 ところが、イスラエル人がだれもかれもそれを拝むようになり、これは、ギデオンとその一族が犯した悪行となったのです。

28.  以上が、ミデヤン人がイスラエル人に屈服するに至った経過です。ミデヤン人は二度と立ち直れず、ギデオンが生きている四十年間は、イスラエルに平和が続きました。 

29. ギデオンは家に帰りました。 

30. 彼には息子が七十人もいました。 妻が大ぜいいたからです。 

31. また、シェケムに内妻が一人おり、アビメレクという男の子がいました。 

32. 年老いたギデオンはついに世を去り、アビエゼル人の地オフラにある、父ヨアシュの墓に葬られました。

33.  ギデオン亡きあと、イスラエル人はたちまちバアルやバアル・ベリテの偶像崇拝に陥りました。 

34. もう、周囲のすべての敵から救い出してくださった神様を、心に留めようとはしなかったのです。 

35. ギデオンの数々の功績をも忘れ、その一族を手厚く待遇することも怠りました。

士師記 8