2-3. それで神様は、ハツォルにいたカナン人の王ヤビンに、イスラエルを征服させたのです。 王の軍の最高司令官はシセラで、ハロシェテ・ハゴイムに住んでいました。 彼は鉄の戦車九百台をかかえ、二十年間イスラエル人を悩まし続けたのです。 ついにイスラエル人は、神様の助けを求めました。
13. 鉄の戦車を九百台も備えた全軍を動員し、ハロシェテ・ハゴイムからキション川へと進みました。
14. その時、デボラはバラクに言いました。 「さあ、今こそ攻撃のチャンスよ。 神様が先頭に立っておられます。 もうシセラのいのちは、いただいたも同然よ。」そこでバラクは、一万人を率いてタボル山を下り、戦いに臨みました。
15. 神様が兵も戦車隊もパニック状態に陥れたので、敵は総くずれとなり、シセラは戦車から飛び降り、走って逃げ出すしまつでした。
16. バラクの軍隊は、敵兵と戦車をハロシェテ・ハゴイムまで追いつめ、ついに全滅させました。 一人も生き残った者はいません。
17. ところがシセラだけは、ケニ人ヘベルの妻ヤエルのテントに逃げ込みました。 ハツォルの王ヤビンとヘベルの氏族との間には、相互援助協定が結ばれていたからです。
18. ヤエルはシセラを迎えに出て、「まあ、シセラ様、どうぞ、お入りくださいませ。 ここならもう安心、ご心配には及びませんわ」と言いました。 そしてテントに入ったシセラに、毛布をかけて休ませました。
19. シセラは、「頼む、水をくれないか。 のどがからからだ」と訴えました。 ヤエルは牛乳を与え、また毛布をかけてやりました。
20. シセラは、「お願いだ、テントの入口で見張っていてくれ。 もし、だれかがわしを捜しに来ても、『ここにはいない』と追っ払ってくれ」と頼みました。
21. ところがヤエルは、先のとがったテントの杭と槌を手に取るや、眠っているシセラに忍び寄り、こめかみ目がけて打ち込んだのです。杭は地面をも刺し通し、シセラの息の根を止めました。 彼は、疲労困憊のあまり眠りこけていたからです。
22. バラクがシセラを捜して追って来た時、ヤエルは迎えに出て、「どうぞこちらへ。 あなた様がお捜しの方をお目にかけますわ」と言いました。案内されるままに中へ入ると、杭がこめかみに突き刺さったまま死んでいる、シセラの姿が目に入りました。