5. さて、人々は、こんな疑問を持ち始めました。 「ミツパで神様の前に集まった時、まさかイスラエルの部族で欠席した者はいなかったろうな。」 それというのも、あの時、「出席を拒む者は必ず殺される」というきびしい誓いを立てていたからです。
6. とにかく全イスラエルにとって、ベニヤミン部族を失ったことは、あまりに深い悲しみでした。「ああ、もうなくなるんだ、なくなるんだ。」 口を開けば、そのことばかりです。 「れっきとしたイスラエルの部族の一つが切り捨てられ、消えていくんだ。
7. あの生き残った一にぎりの者に、どうやって妻をめとらせたものだろう。 わしらは神様に、娘を嫁がせないと誓ってしまった。」
13. それから、リモンの岩にこもるベニヤミンの少数の生存者に、和解の使節を送りました。
14. 四百人の処女が妻として与えられ、めいめい家へ戻りました。 ただし、全員に嫁がせるには、四百人では足りません。
15. この時代は、イスラエルにとって悲しみに満ちた時期でした。 神様がイスラエルの部族のあいだを引き裂いたからです。
16. 指導者たちは思案にくれました。 「あの残りの者に妻をめとらせるには、どうしたらよかろう。 ベニヤミンの女は残らず死んでしまったことだし……。
17. しかし、なんとしても妻をあてがってやらなければ、イスラエルの一つの部族が、永遠に絶えてしまう。
18. かといって、わしらの娘をやるわけにはいかん。 厳粛な誓いを立てた以上、破った者は神様からのろわれるに違いない。」
19. そのとき不意に、だれかが、毎年シロの畑で催される祭りのことを思いついたのです。 シロの町は、レボナとベテルとの間、ベテルからシェケムへ至る道の東側にありました。
20. そこで指導者たちは、妻を求めているベニヤミンの男たちにこう指示しました。 「さあ、行って、ぶどう畑に隠れていなさい。
21. シロの娘たちが踊りに出て来たら、飛び出して、めいめい娘をかっさらい、連れ帰って妻にしなさい。
22. 娘の父親や兄弟が抗議してきたら、こう言ってやろう。 『どうか、わかってくれ。 わしらに免じて、娘さんを彼らに嫁がせてやってくれ。 ヤベシュ・ギルアデを滅ぼしても、彼ら全員に妻をもたせてやれなかった。 こうでもしなければ、あなたがたも罪を犯さず、しかも娘さんを彼らにやることはできないわけだから。』」
23. ベニヤミンの男たちは、言われたとおりにやってのけました。 祭りに出て来た娘をかっさらい、領地に連れ帰ったのです。 彼らは町を再建して住みつきました。
24. こうしてイスラエルの人々は、それぞれの相続地へと戻りました。
25. 当時のイスラエルには王がなく、各人が正しいと思うことを気ままに行なっていたのです。