3. イスラエル軍がミツパに集結したという知らせは、まもなくベニヤミン領内に伝わりました。イスラエルの指導者たちは殺された女の夫を呼んで、事の真相を話すよう求めました。
4. 「私どもは、夕方ベニヤミン領内のギブアに着き、ある家に泊まったのでございます。
5. ところがその夜、ギブアの者どもが家を取り囲み、私を殺そうとしたのです。 一味は妻に暴行を加え、無残にも殺してしまいました。
6. 私は妻の死体を十二に切り分け、イスラエルの全地に送りつけました。 それというのも、やつらの仕打ちがあまりにむごかったからです。
7. さあ、皆さん、どうか腹蔵のないご意見をお聞かせください。」
27-28. 当時、神の箱はベテルにあったのです。 アロンの孫で、エルアザルの息子ピネハスが祭司でした。人々は神様に尋ねました。 「また出陣して、兄弟ベニヤミンと戦うべきでしょうか。 それとも、やめるべきでしょうか。」神様は、「行け。 あす、おまえたちはベニヤミンを打ち破ることができる」とお答えになりました。
29. そこで、イスラエル軍はギブア周辺に伏兵を潜ませ、
30. 三日目に攻撃に移り、いつものような陣形をとりました。
31. ベニヤミン軍が迎え撃とうと町から出てくると、退却すると見せかけ、町からおびき出したのです。 ベニヤミン軍は前回同様、ベテルとギブアを結ぶ路上でイスラエルを撃破し、たちまち三十人を血祭りにあげました。
32. ベニヤミン軍は、「勝ったぞ」と叫びました。 ところが、実はそれがイスラエル軍の作戦だったのです。 初めから、わざと逃げてベニヤミン軍をおびき出す手はずでした。
33. 本隊はバアル・タマルまで来た時、一転して反撃に移り、ゲバの西に隠れていた伏兵一万も飛び出しました。
34. 伏兵は、まだ危険に気づいていない、ベニヤミン軍のしんがりを襲いました。
35-39. 神様が助けてくださったので、イスラエル軍はベニヤミン軍を打ち破ることができたのです。 その日、ベニヤミン軍は二万五千百人を失い、生き残りの兵はわずかでした。戦況をまとめると、こうなります。イスラエル軍本隊は、伏兵に十分な作戦行動の機会を与えるため、わざとベニヤミン軍の前から退却したのです。 ベニヤミン軍は、イスラエル人を三十人ほど打ち殺した時、前回同様の大勝利を確信しました。 しかし、そのとき伏兵がギブアに突入し、村にいた全員を殺し、火を放ちました。 その煙を合図に、イスラエル軍は反撃に転じ、いっせいに攻撃を開始したのです。
40-41. ベニヤミン軍は、うしろを振り返ってびっくりしました。 町が炎に包まれているのを見て、危険が身に迫るのを感じたからです。
42. 彼らは荒野へ逃げようとしました。 しかし、イスラエル軍は追跡し、伏兵の一隊も駆けつけて、背後からベニヤミン軍を打ち殺しました。
43. そして、包囲しながらギブアの東方へと追いつめ、その大半を殺しました。
44. その日、一万八千のベニヤミン軍兵士が死んだのです。