14. 先の偵察隊の五人が言いました。「この家には、エポデやテラフィム、それに彫像をたくさん安置した聖堂があるんだ。 となると、われわれのなすべきことも明白だな。」
15-16. 五人は残りの兵を門外に立たせたまま、邸内に入りました。 まず、あの若い祭司にあいさつすると、
17. 五人は聖堂に踏み込み、彫像やエポデやテラフィムを持ち出そうとしました。
18. 「何をするんだ」と、若い祭司は詰め寄りました。
19. 「どうか、おとなしく私どもと共においでください。 われわれ全員の祭司におなりなさい。 あなただって、一軒の家でたった一人に仕えるより、部族全体の祭司になるほうがよいのじゃありませんか。」
20. 祭司は喜んで誘いに応じ、エポデやテラフィム、それに彫像を持ち去りました。
21. 一行はそこを引き揚げ、子供、家畜、家財などを隊列の先頭に立て、先を進みました。
22. ミカの家からかなり離れたころ、ミカと近所の人々が追いかけて来て、
23. 大声で叫びました。「待て!」「いったいどうなさるおつもりですか。 ずいぶんものものしいですな。」
24. 「『どうなさるおつもりか』とは、しらじらしい! 私の神々から祭司まで、いっさいがっさい持ち出しておきながら。 うちは空っぽになったじゃないか!」
25. 「ねえ、だんな。 もっと気をつけてものを言ってほしいね。 でないと、腹を立てた連中が、あんたがたを皆殺しにしかねませんよ。」
26. こう言い捨てると、ダンの人々は去って行きました。 相手が大ぜいすぎて手出しがかなわぬと悟ったミカは、すごすご家へ引き返しました。
27. 一方ダンの人々は、ミカの作った彫像と祭司を伴い、ライシュの町に着きました。 町は全く無防備だったので、住民を皆殺しにし、町を焼き払ってしまいました。