士師記 18:11-30 リビングバイブル (JLB)

11.  そこで、ダン部族の兵六百人が、ツォルアとエシュタオルからくり出しました。 

12. 第一夜は、ユダのキルヤテ・エアリムの西側で過ごしました。 そこは今も、マハネ・ダン〔ダンの陣営〕と呼ばれています。 

13. そこからエフライムの山地へと、進軍を続けたのです。ミカの家に差しかかった時、 

14. 先の偵察隊の五人が言いました。「この家には、エポデやテラフィム、それに彫像をたくさん安置した聖堂があるんだ。 となると、われわれのなすべきことも明白だな。」

15-16. 五人は残りの兵を門外に立たせたまま、邸内に入りました。 まず、あの若い祭司にあいさつすると、 

17. 五人は聖堂に踏み込み、彫像やエポデやテラフィムを持ち出そうとしました。

18.  「何をするんだ」と、若い祭司は詰め寄りました。

19.  「どうか、おとなしく私どもと共においでください。 われわれ全員の祭司におなりなさい。 あなただって、一軒の家でたった一人に仕えるより、部族全体の祭司になるほうがよいのじゃありませんか。」

20.  祭司は喜んで誘いに応じ、エポデやテラフィム、それに彫像を持ち去りました。 

21. 一行はそこを引き揚げ、子供、家畜、家財などを隊列の先頭に立て、先を進みました。 

22. ミカの家からかなり離れたころ、ミカと近所の人々が追いかけて来て、 

23. 大声で叫びました。「待て!」「いったいどうなさるおつもりですか。 ずいぶんものものしいですな。」

24.  「『どうなさるおつもりか』とは、しらじらしい! 私の神々から祭司まで、いっさいがっさい持ち出しておきながら。 うちは空っぽになったじゃないか!」

25.  「ねえ、だんな。 もっと気をつけてものを言ってほしいね。 でないと、腹を立てた連中が、あんたがたを皆殺しにしかねませんよ。」

26.  こう言い捨てると、ダンの人々は去って行きました。 相手が大ぜいすぎて手出しがかなわぬと悟ったミカは、すごすご家へ引き返しました。

27.  一方ダンの人々は、ミカの作った彫像と祭司を伴い、ライシュの町に着きました。 町は全く無防備だったので、住民を皆殺しにし、町を焼き払ってしまいました。 

28. だれ一人、住民を助ける者はいません。 シドンから遠く離れていた上、周囲の町とも同盟を結んでおらず、だれとも交渉がなかったからです。 町はベテ・レホブに近い谷にありました。 ダン部族は町を再建し、住みつきました。 

29. 町の名も「ダン」と改めました。 彼らの先祖で、イスラエルの息子の一人ダンの名にちなんだのです。 もともとの名はライシュでした。

30.  ダンの人々は自分たちのために彫像を立て、ゲルショムの息子で、モーセの孫にあたるヨナタンとその息子たちとを、祭司に任命しました。 この家系は、町が敵に完全に征服されるまで、代々祭司を務めました。 

士師記 18