1. こうした話でもわかるように、そのころイスラエルには王がいませんでした。 さて、ダン部族は自分たちの相続地を得ようとしていました。 まだ、割り当て地を攻め取っていなかったからです。
2. そこで、ツォルアとエシュタオルの町から勇士五人を選び、定住しようとする地を偵察させました。 エフライムの山地に着いた五人は、ミカの家に宿をとりました。
3. そして、レビ人なまりの若者に気づき、かたわらに呼んで尋ねたのです。 「ここで何をしてるんですか。 なんでこんな所にいるんです?」
4. 若者はミカとの取り決めについて話し、ミカの私的な祭司であることを告げました。
5. 「そうですか。 それなら、わしらの旅が成功するかどうか、ひとつ神様にうかがってくれませんか。」
6. 「いいでしょう。 ……これはこれは、首尾は上々ですな。 神様は皆さんを、おこころにかけていらっしゃいますよ。」
7. やがて五人は、ライシュの町に入り込みました。 そして、住民がみな安穏と暮らしているのに気づきました。 生活ぶりもフェニキヤ人らしく、たいそう裕福なものでした。 この辺では、脅威を感じるほどの強い部族もなかったので、無防備同然で、安心しきっていました。 その上、シドンにいる同族とも遠く離れ、近隣の村々ともほとんど交渉を断っていたのです。
8. 偵察に来た五人は、ツォルアとエシュタオルへ帰りました。待ち受けていた人々は尋ねました。 「どうだった、向こうの様子は?」
15-16. 五人は残りの兵を門外に立たせたまま、邸内に入りました。 まず、あの若い祭司にあいさつすると、