9. そうこうするうち、ペリシテ人がユダに大軍を差し向け、レヒに攻め入ったのです。
10. 「なぜここに攻めて来たんだ」と、ユダの人々は尋ねました。「サムソンをとっ捕まえるためだ。 あいつにお返ししてやるのさ。」
11. そこでユダから三千人が、サムソンを捕らえにエタムの岩のほら穴へ向かいました。「何ということをしてくれたんだ。 ペリシテ人は、わしらの支配者じゃないか。」「あいつらが私にしたとおり、お返ししただけさ。」
14. 一行がサムソンを捕らえてレヒに着くと、ペリシテ人は歓声をあげました。 神様の力がサムソンに注がれたのは、その時です。 綱は、まるで糸のようにぷっつり切れ、手首から落ちたではありませんか。
15. すかさずサムソンは、そこに転がっていたろばのあご骨を拾い上げ、あっという間に、千人のペリシテ人をなぎ倒してしまいました。
18. 折りからひどくのどが渇いたので、サムソンは神様に祈りました。「神様はこの私にめざましい働きをさせ、きょうイスラエルをお救いくださいました。 ところが、私はのどが渇いて死にそうです。 こんなことで異教徒の手に落ちていいものでしょうか。」
19. すると神様は、そばのくぼ地から、水をほとばしり出させてくださったのです。水を飲んですっかり元気を取り戻したサムソンは、そこをエン・ハコレ〔祈りの人の泉〕と名づけました。 その泉は今もあります。
20. サムソンは、こののち二十年間イスラエルの士師でしたが、なおこの地はペリシテ人の支配下にありました。