2. そう言うと、同行した兄弟五人を王に紹介しました。
3. 「して、おまえたちの職業は?」「先祖代々、ずっと羊飼いでございます。
4. このたびは、ありがたいおことばに甘え、お国に住まわせていただこうと、失礼も顧みずやってまいりました。 カナンは不作続きで、もう牧草がございません。 そのひどさと言ったら大へんなもので……。 どうか、ゴシェンの地に住む許可をお与えください。」
7. 次にヨセフは、父ヤコブを王に引き合わせました。 ヤコブはていねいにあいさつしました。
8. 「これはこれは、ヨセフの父上、だいぶお年のようだが、幾つにおなりかな?」
9. 「おかげさまで百三十になります。 苦労が多く、こんなに老いぼれてしまいました。 先祖には、もっともっと長生きした者も大ぜいおります。」
10. こう言って、もう一度あいさつすると、ヤコブは王の前を下がりました。
11. ヨセフは王の命令どおり、一族にエジプトでも最上のラメセスの地を割り当てました。
12. それぞれの家族数に応じて、食物も与えました。
13. そうしている間も、ききんはますますひどくなり、カナンばかりか、エジプトでも飢える人がたくさん出てきたのです。
14. ヨセフはどんどん穀物を売り、エジプトとカナンに出回っていた金を、ほとんど全部と言っていいくらい吸い上げてしまいました。 王の金庫には金がうなるほどたまる一方です。