創世記 47:1-20 リビングバイブル (JLB)

1.  ヨセフはさっそく、王宮へ報告に出かけました。「父が一族を連れてカナンからまいりました。 羊や牛の群れ、財産もいっしょです。 お許し願えれば、ゴシェンの地に住みたいと申しております。」

2.  そう言うと、同行した兄弟五人を王に紹介しました。

3.  「して、おまえたちの職業は?」「先祖代々、ずっと羊飼いでございます。 

4. このたびは、ありがたいおことばに甘え、お国に住まわせていただこうと、失礼も顧みずやってまいりました。 カナンは不作続きで、もう牧草がございません。 そのひどさと言ったら大へんなもので……。 どうか、ゴシェンの地に住む許可をお与えください。」

7.  次にヨセフは、父ヤコブを王に引き合わせました。 ヤコブはていねいにあいさつしました。

8.  「これはこれは、ヨセフの父上、だいぶお年のようだが、幾つにおなりかな?」

9.  「おかげさまで百三十になります。 苦労が多く、こんなに老いぼれてしまいました。 先祖には、もっともっと長生きした者も大ぜいおります。」 

10. こう言って、もう一度あいさつすると、ヤコブは王の前を下がりました。

11.  ヨセフは王の命令どおり、一族にエジプトでも最上のラメセスの地を割り当てました。 

12. それぞれの家族数に応じて、食物も与えました。 

13. そうしている間も、ききんはますますひどくなり、カナンばかりか、エジプトでも飢える人がたくさん出てきたのです。 

14. ヨセフはどんどん穀物を売り、エジプトとカナンに出回っていた金を、ほとんど全部と言っていいくらい吸い上げてしまいました。 王の金庫には金がうなるほどたまる一方です。 

15. すっからかんになった人々は、ヨセフに泣きつくしかありません。「穀物を売っていただこうにも、財布は空っぽです。 かといってこのままじゃ、飢え死にするしかありません。 後生ですから、食べ物をお恵みください。」

16.  「わかった。 それなら家畜を差し出すがいい。 引き換えに食糧をやろう。」

17.  背に腹はかえられません。 人々は食べ物を買うために、家畜を連れて来ました。 まもなく、エジプト中の馬、羊、牛、ろばが王のものになりました。

18.  翌年になると、人々はまたやって来ました。 「もう金はおろか、家畜もいません。 全部あなた様に差し上げました。 残っているものと言えば、自分の体と土地しかありません。 

19. このままじゃ、死ぬのを待つだけです。 どうぞ、私どもと土地を買ってください。王様の農奴となりますから、食糧と引き換えにしてください。 そうすれば、なんとか生きのびられるし、土地を耕すことだってできますから。」

20.  ヨセフはエジプト中の土地を買い上げました。 エジプト人がみな自分の土地を手放さなければならないほど、ききんはひどかったのです。 土地はぜんぶ、王のものになり、 

創世記 47