創世記 41:9-24 リビングバイブル (JLB)

9. その時、王の毒味役が口をはさみました。「実は、うっかりしておりましたが、とうに申し上げておかなければならないことがあったのです。 

10. いつでしたか、王様がお怒りになって、私とコック長とが、親衛隊長の屋敷内の牢に入れられたことがございました。 

11. ある夜、私どもは夢を見たのです。 

12. その夢を、隊長の奴隷だったあるヘブル人の青年に話しましたところ、夢の意味をちゃんと説明してくれました。 

13. そして何もかも、そのとおりになりました。 私はお赦しを得てお毒味役に復帰できましたし、コック長は死刑にされ、柱につるされてしまいました。」

14.  これは耳寄りな話です。 王はすぐさまヨセフを呼びにやりました。 さっそく地下牢から呼び出されたヨセフは、急いでひげをそり、服を着替えて王の前に出ました。

15.  「わしはゆうべ夢を見たのだが、それがどういう意味か、ここにおる連中は一人もわからん。 話によると、おまえはそういう事にくわしいそうだな。 わざわざ呼び寄せたのはほかでもない、その夢の意味を説明してもらいたいのだ。」

16.  「私が自分の力でそうするわけではございません。 神様が教えてくださるのです。」

17.  そこで、王は夢の話をしました。 「わしはナイル川のほとりに立っていた。 

18. すると、とつぜん川から丸々と太った健康そうな雌牛が七頭出て来て、川岸のあたりの草を食べ始めた。 

19. ところが、別の雌牛が七頭また川から出て来た。 やせて骨が浮いて見えるようなやつばかりだ。 全く、あんなやせこけた牛は、エジプト中どこを捜してもいないだろう。 

20. ところが、そのやせた牛が、最初の太った牛をぺろっとたいらげてしまった。 

21. それなのに、まだやせたままなのだ。 そのとき目が覚めた。

22.  しばらくして、もう一つ夢を見た。 今度は一本の茎に七つの穂が出て来たのだ。 たっぷり実のはいった穂ばかりだった。 

23. そのあと同じ茎から、やせた実のない穂が七つ出て来た。 

24. そしてやせた穂が、実のはいったやつをのみ込んでしまった。 この話を魔術師どもにしたのだが、満足に説明できる者は一人もおらん。」

創世記 41