30. しかしそのあと、七年間のききんに見舞われます。 以前の繁栄がすっかり忘れられ、あとかたもなくなるほどの大ききんです。 国土はすっかり荒れ果て、
31. あまりのひどさに、豊作の年があったことなど、信じられなくなるでしょう。
32. 同じ夢を二度ご覧になったのは、今お話ししたことが間違いなく起こる証拠です。 神様がそうお決めになったからには、すぐ夢のとおりになります。
33. あまり猶予はありません。 さっそくエジプト一の人材を捜して、国全体の農業計画を管理させたらよろしいかと存じます。
34-35. エジプトを五つの管轄区に分けます。 七年間は各地区の役人に命じて、余った穀物を王様の倉庫へ納めさせたらいかがでしょう。
36. そうすれば、大ききんになっても困りません。 でないと、国中が災害にやられて、とんでもないことになるでしょう。」
37. ヨセフの提言に、王もお付の者たちもうなずきました。
38. では、この仕事の責任者をだれにしたらよいでしょう。 一同が相談を始めると、王が言いました。 「ヨセフがよい。 彼は神様の特別の力をいただいておる。 まさにうってつけではないか。」
39. そして、ヨセフの方に向き直り、こう続けました。 「夢の意味を神様がおまえにお示しになったからには、おまえがわが国でいちばんの知恵者に違いない。
40. したがってわしは今、おまえをこの仕事全体の責任者に任命する。 何でもおまえの命令どおりすることにしよう。 この国でおまえの上に立つ者は、わしだけだ。」
41-42. 王は自分の印の入った指輪を、権威のしるしとしてヨセフの指にはめ、美しい服を着せて、首には王様用の金のペンダントをかけてやりました。 「おまえをエジプトの総理大臣に任命する。 王の私がそう宣言する。」