3. 収穫の時になると、カインは作物の中から神様に供え物をささげました。
4. アベルは一番いい子羊の最上の肉を、自分で神様にささげました。 神様はアベルのささげ物を受け取りましたが、
5. カインのは受け取りません。 カインはがっかりするやら腹が立つやらで顔をしかめました。
6. 神様はそれを見とがめ、「なぜ腹を立てるのだ」と質しました。 「何が気に入らないで、そんなに腹を立て、しかめっ面をしているのだ。
7. やるべき事をきちんとやってさえいれば、顔は喜びで輝くものだ。 もし、わたしの言うことが聞けないなら、気をつけるのだな。おまえを滅ぼそうと、罪が待ちかまえているぞ。 だが、その力を抑えることはできるはずだ。」
8. ある日、カインは、「野原へ行かないか」と弟をさそいました。 そして、野原で不意に襲いかかり、殺してしまったのです。
9. そのことがあってから、神様はカインに尋ねました。 「弟はどこにいる? アベルはどうしたのだ。」「そんなこと、なぜおれが知ってなきゃいけないんです? 弟の行く先をいつも見張れとでもおっしゃるんですか。」
10. 「おまえの弟の血が大地からわたしを呼んでいる。 全く大それたことをしでかしてくれたものだ。
11. 弟の血で大地を汚すとは、なんということだ。 おまえはもう、ここには住めない。 追放だ。
12. これからは、いくら汗水流して働いても、大地はおまえのために作物を実らせない。 この先おまえは放浪者となり、当てもなくさすらい歩くのだ。」
13. 「そんな罰は重すぎて、とても負いきれません。
14. 農場からも追い出され、神様の前からも追っ払われて、放浪者に落ちぶれるなんて。 おれを見たら、どんなやつだって殺そうとするに決まってます。」
15. 「心配するな。 おまえを殺させたりはしない。 そんなことをしでかす者には、おまえの受けた罰の七倍の仕返しをしてやろう。」こう約束すると、神様はだれにも殺されないように、カインに一つのしるしをつけました。
16. こうして、カインは神様のもとを去り、エデンの東、ノデの地に住みついたのです。
17. そのあと、カインの妻は男の子を産みました。 それがエノクです。 その時、カインは町を建てていたので、子供の名にちなんで、町の名もエノクとしました。
18. エノクはイラデの父イラデはメフヤエルの父メフヤエルはメトシャエルの父メトシャエルはレメクの父