創世記 39:1-9 リビングバイブル (JLB)

1.  さて、イシュマエル人の隊商に売り飛ばされたヨセフに、話を戻しましょう。 彼はエジプトに着くと、エジプト王に仕える役人の一人、ポティファルに買い取られました。 このポティファルという人は、親衛隊の隊長で、刑執行の責任者でした。 

2. ヨセフは主人の家の仕事をさせられましたが、いつも神様が助けてくださるので、何をしてもうまくいくのでした。 

3. ポティファルの目にも、神様がヨセフに特別よくしておられることは明らかでした。 

4. おかげで、ヨセフは主人の気に入り、家の管理、財政を任されるようになりました。

5. すると、どうでしょう。 神様がヨセフによくなさるので、ポティファルの家も祝福され、仕事は万事スムーズに運び、収穫も、羊の群れも増える一方でした。 

6. 喜んだポティファルは、全財産の管理をヨセフに任せることにしました。 ヨセフさえいれば、何の心配もありません。 といっても、自分が何を食べるかまで、ヨセフに決めさせたわけではありませんが……。 ところで、ヨセフはたいへんハンサムな青年でした。

7.  そのころ、困ったことが持ち上がりました。 事もあろうに、ポティファルの妻がヨセフに目をつけたのです。 いっしょに寝ようと、うるさく誘いかけます。

8.  しかし、ヨセフは耳も貸しません。 「だんな様は家のこといっさいを私にお任せになりました。 

9. 家では、私のすることに、決して口出ししたり、指図したりなさいません。 何もかも私の自由にさせてくださいます。 ただ奥様だけは別ですが……。 これほどまでにしていただいて、どうして、そんな大それたことができましょう。 だんな様ばかりか、神様にまで背くことなんかできません。」

12-13. 「ねえ、ちょっと私の部屋に来てくださらない?」 とんでもないと、その手を振り払って逃げようとしたとたん、上着が脱げてしまいました。 ヨセフはそのまま家の外へ逃げ出しました。 そのうしろ姿を、残された上着を手にしたまま、彼女はじっと見つめていましたが、 

14-15. とつぜん叫び声をあげました。 何事が起こったのかと、男たちが駆けつけると、彼女がヒステリックに泣いています。 「うちの人があんなヘブル人(イスラエル人)の奴隷なんか連れて来るからいけないのよ。 おかげで危ない目に会うところだったわ。 とてもひどいことをしようとするんですもの。 私、大声で叫んでやったわ。 そうしたら、あわてて上着を置いたまま逃げ出したのよ。」

創世記 39