2. この時、息子のヨセフは十七歳になっていました。 腹違いの兄である、ビルハやジルパの息子たちといっしょに、父親の羊の群れの番をするのが、ヨセフの仕事でした。 そんな時、兄たちが何か悪いことをすると、ヨセフはいちいち父親に知らせるのでした。
3. イスラエルはヨセフを、どの息子よりもかわいがっていました。 年をとってからの子だからです。 それで、飾りつきの特別製の服を作ってやりました。
4. こう、あからさまにえこひいきされては、兄たちもおもしろくありません。 ヨセフが憎らしくて、やさしいことばなどかけられないのです。
5. そんなある晩、ヨセフは夢を見ました。その話をさっそく事細かに話したものですからたまりません。 ますます兄たちにきらわれてしまいました。
6. 「あのね、ぼく、こんな夢を見たんだ。」 得意げに、ヨセフは言いました。
7. 「みんなが畑で束をたばねていたんだ。 そしたらぼくの束が、いきなりすっくと立ち上がった。 それからどうなったと思う? 兄さんたちの束が回りに集まって来て、ぼくの束におじぎをするんだ。」
8. 「じゃあ何かい、おまえがおれたちの主人になるとでもいうのかい?」 兄たちはせせら笑いました。 「いつものことだが、なんて生意気なやつだ。 だいいち、あの夢が気にくわない。」 そう思うと、ますます憎らしくなるばかりです。
9. ヨセフはまた夢を見て、兄たちに話しました。「この前また夢を見たんだけどさ、太陽と月と十一の星が、ぼくにおじぎしたんだぜ。」
21-22. けれども、ルベンはヨセフを助けたかったので、異議を唱えました。「殺すこともないじゃないか。 血を流すのはよくないぜ。 生きたまま井戸に投げ込んどけば、おれたちが手を下さなくても自然に死ぬさ。」 こうしておけば、あとで井戸から出し、父のもとに帰してやれます。
26-27. 「おい、見ろよ。」 ユダが叫びました。 「イシュマエル人が来るぞ。 ヨセフのやつを売り飛ばすってのはどうだい。 殺すのは、何てったって気持ちのいいもんじゃない。 自分たちの手で殺したりすれば、あとでいやな思いをするだろうよ。 虫の好かないやつだけど、やっぱり弟なんだからな。」 みな賛成です。