創世記 31:30-38 リビングバイブル (JLB)

30. それにしても合点がいかないんだが、いくら故郷に早く帰りたかったとしても、わしの守り神を盗むことはないだろうが、ええっ!」

31.  「黙って家を出たのは、そうしないと、力ずくでも妻を奪い取られるんじゃないかと、心配でたまらなかったからですよ。 

32. しかし、お義父さんの守り神のことなど、全く身に覚えがありませんね。 もし盗んだやつがいたら、ただではおきませんよ。 リンチにかけてやります。 ほかにも、何か一つでも盗品が見つかったら……、皆の前で誓いますが、その場でお返ししますよ。」 ヤコブは、ラケルが守り神を盗んだことを知らなかったのです。

33.  ラバンは、まずヤコブのテントから、そこら中を捜し始めました。が、何もありません。 そのあと、レアのテント、そばめたちの二つのテントと捜し回っても、やはり影も形もありません。 とうとうラケルのテントを調べる番になりました。 

34. 盗んだ張本人ラケルのテントです。 彼女はそれをらくだの鞍の下に押し入れ、その上に座りました。 これでは、いくらしらみつぶしに捜し回っても、見つかるはずがありません。

35.  「お父さん、座ったままで失礼させていただきますわ。 いま女の月のもので立てないんです。」 ラケルはすまして弁解しました。

36-37. 何も出なかったので、ヤコブは腹を立てました。 「どうでした。何か一つでも見つかりましたかね? 全くぬれ衣もいいとこですよ。まるで私が犯人だと言わんばかりに追いかけて来て、そこいら中を捜し回ったりして。 さあ、見せていただきましょう。 盗んだ物はどこにありますか。 みんなの目の前に並べてください。 本当にお義父さんのものかどうか、とくと調べてもらいましょう。 

38. この二十年間というもの、私はお義父さんのために働き通しでした。 雌羊や雌やぎの世話に明け暮れ、丈夫な子がたくさん生まれるようにしました。 それでも、自分が食べるためには、雄羊一匹だって、お義父さんのものに手をつけたことはありません。 

創世記 31