創世記 31:1-9 リビングバイブル (JLB)

1.  しかし、そのまますむわけはありません。 ラバンの息子たちが不平を言いだしたのです。 「あいつの財産は、元はと言えば家のおやじのものじゃないか。 おやじが犠牲になって、あいつを金持ちにしたようなものだ。」 

2. そうこうしているうちに、ラバンの態度も変によそよそしくなってきました。

3.  神様がヤコブに国へ帰れと命じたのは、その時です。 「おまえの先祖の国、親族のところへ帰りなさい。 わたしがついているから心配はいらない。」

4.  ヤコブはラケルとレアに使いをやり、自分がいま群れを飼っている所まで来るように言いました。 

5. そこで相談するためです。「お義父さんの様子が近ごろどうも変なのだ。 だが心配することはないぞ。 きょう、ご先祖の神様のお告げがあったのだ。 

6. おまえたちも知っているように、私はお義父さんのために、今まで一生けんめい働いてきた。 

7. ところが、お義父さんのほうじゃ、私のことなどちっとも考えてくれない。 給料のことだって、何度も何度も約束を破ったしな。 これまで無事にやってこれたのは、ひとえに神様が助けてくださったおかげだと思うよ。 

8. ぶちの群れを私にくれると言えば、ぶちの子ばかり生まれた。 それを見て気が変わり、しまのついているのを取れと言うと、生まれる羊は全部しまがついていた。 

9. ま、お義父さんには気の毒だったが、こういうふうに、神様が私を豊かにしてくださったのだ。

17-20. それで、ある日、ラバンが野原で羊の毛を刈っていた時、ヤコブは妻と子供たちをらくだに乗せ、黙って出発してしまいました。 その時、ラケルは、どさくさにまぎれて父親の守り神を盗み出しました。 一行の先頭は、パダン・アラムで手に入れた、羊、山羊など家畜の群れです。 そのほか全財産を持って、カナンの地にいる父イサクのもとへ帰ろうというのです。 

36-37. 何も出なかったので、ヤコブは腹を立てました。 「どうでした。何か一つでも見つかりましたかね? 全くぬれ衣もいいとこですよ。まるで私が犯人だと言わんばかりに追いかけて来て、そこいら中を捜し回ったりして。 さあ、見せていただきましょう。 盗んだ物はどこにありますか。 みんなの目の前に並べてください。 本当にお義父さんのものかどうか、とくと調べてもらいましょう。 

47-48. それで塚の名は、「証拠の塚」となりました。 ラバンの国のことばでは「エガル・サハドタ」、ヤコブの国のことばでは「ガルエデ」です。また、「これからは、どちらかが境界線を越えたら、この石塚が証拠となるだろう」とラバンが言ったので、 

51-52. お互いこの線を越えて攻撃をしかけたりしないよう、誓いを立てよう。 この塚は誓いの証人だ。 

創世記 31