創世記 3:1-13 リビングバイブル (JLB)

1.  さて、神様が造ったものの中で、蛇が一番ずる賢い動物でした。蛇は女に、ことば巧みに話をもちかけました。 「ほんとうにそのとおりなんですかねえ? いえね、ほかでもない、園の果物はどれも食べちゃいけないって話ですよ。 なんでも神様は、これっぽっちも食べちゃいけないと言ったっていうじゃないですか。」

4.  「へえーっ、でも、そいつは嘘っぱちですぜ。 死ぬだなんて、でたらめもいいところだ。 

5. 神様も意地が悪いね。 その実を食べたら、善と悪の見わけがつき、神様のようになっちまうもんだから、脅しをかけるなんてさ。」

6.  言われてみれば、そう思えないこともありません。 それに、その実はとてもきれいで、おいしそうなのです。 「あれを食べたら、何でもよくわかるようになるんだわ。」 そう思いながら見ていると、もう矢も盾もたまらなくなり、とうとう実をもいで、食べてしまいました。 ちょうどそばにいたアダムにも分けてやり、いっしょに食べたのです。 

7. はっと気がついたら、二人とも裸ではありませんか。 急に恥ずかしくてたまらなくなりました。 何とかしなければなりません。 間に合わせに、いちじくの葉をつなぎ合わせ、腰の回りをおおいました。

8.  その日の夕方のことです。 神様が園の中を歩いておられる気配がしたので、二人はあわてて木陰に隠れました。 

9. 神様の呼ぶ声が聞こえます。 「アダム、なぜ隠れるのだ。」

10.  「神様がおいでになるのに裸だったからです。 こんな姿はお見せできません。」

11.  「なにっ、裸だということを、いったいだれが教えた? さては、あれほど食べるなと言ったのに、あの木の実を食べたのだな。」

12.  「は、はい。 で、でも、神様が下さった女がくれたもんで、つい……。」

13.  そこで神様は女に尋ねました。 「いったいどうして、こんなことをしたのだね。」「蛇、蛇がいけないのです。 私はただ、だまされただけです。」

創世記 3