6. 「そうですか。 で、その方はお元気ですか。」「元気だとも。 何もかもうまくいってるしね。 ああ、ちょうどよかった。 ほら、あそこに羊を連れて来る娘、あれがお嬢さんのラケルだ。」
7. 「いやー、助かりました。 ところで余計なことかもしれませんが、羊に早く水をやって、草のある所へすぐ帰してやらなくていいんですか。 こんなに早く草を食べさせるのをやめたら、腹をすかせませんかね。」
8. 「羊や羊飼いがみな集まるまで、ふたは取らない決まりでね。それまで水はおあずけというわけですよ。」
9. 話をしている間に、ラケルが父の羊を連れて来ました。 彼女は羊飼いなのです。
10. 彼女が伯父の娘で、従姉妹にあたり、羊はその伯父のものだとわかったので、ヤコブは井戸へ行き、石のふたをはずし、羊に水を飲ませました。
11. それから、ラケルにキスしました。あまりうれしくて気持ちが高ぶり、とうとう泣きだしたほどです。
14. 「いやー、うれしいなあ。 甥のおまえがはるばるやって来てくれたんだからな。」 ラバンも喜びを隠せません。ヤコブが来てから、かれこれ一か月が過ぎたある日のこと、