創世記 29:12-13-21 リビングバイブル (JLB)

2. そこは広々した野原です。 井戸のそばに羊の群れが三組寝そべっています。 井戸の口には重い石のふたがかぶせてあります。 

3. 群れが全部そこに集まるまで石のふたははずさないのが、この地方の習慣でした。 水をやったあとは、また元どおり石でふたをしておきます。 

4. ヤコブは羊飼いたちに近づき、どこに住んでいるか尋ねました。「カランだよ。」

5.  「では、ナホルの孫でラバンという人をご存じでは?」「ラバンだって? ああ、よく知ってるよ。」

6.  「そうですか。 で、その方はお元気ですか。」「元気だとも。 何もかもうまくいってるしね。 ああ、ちょうどよかった。 ほら、あそこに羊を連れて来る娘、あれがお嬢さんのラケルだ。」

7.  「いやー、助かりました。 ところで余計なことかもしれませんが、羊に早く水をやって、草のある所へすぐ帰してやらなくていいんですか。 こんなに早く草を食べさせるのをやめたら、腹をすかせませんかね。」

8.  「羊や羊飼いがみな集まるまで、ふたは取らない決まりでね。それまで水はおあずけというわけですよ。」

9.  話をしている間に、ラケルが父の羊を連れて来ました。 彼女は羊飼いなのです。 

12-13. そして、自分は彼女の叔母リベカの息子で、彼女には父方の従兄弟にあたる、と説明したのです。 ラケルはすぐ家へ駆け戻り、父親に報告しました。 ヤコブが来たのです。 すぐ迎えに行かなければなりません。 ラバンは取る物も取りあえず駆けつけ、大歓迎で家へ案内しました。 ヤコブは伯父に、今までのことをいろいろ語り、話は尽きません。

14.  「いやー、うれしいなあ。 甥のおまえがはるばるやって来てくれたんだからな。」 ラバンも喜びを隠せません。ヤコブが来てから、かれこれ一か月が過ぎたある日のこと、 

15. ラバンが言いました。 「甥だからって、ただで働いてくれることはないよ。 遠慮するな。 給料はどのくらいほしいかね。」 

16. ところで、ラバンには二人の娘がありました。 姉がレア、妹がラケルです。

17. レアは弱々しい目をしていましたが、ラケルのほうはスタイルもよく、なかなかの美人でした。 

18. そんなわけで、ヤコブはラケルが好きになってしまったのです。 そこでラバンに言いました。 「もしラケルさんを妻にいただけるなら、七年間ただで働きます。」

19.  「いいだろう。 一族以外の者と結婚させるより、おまえにやるほうがいいからな。」

20.  ヤコブは、ラケルと結婚したい一心で、七年間けんめいに働きました。 心から深く愛していたので、七年などあっという間でした。

21. ついに、結婚できる時がきました。「さあ、やることはみなやりましたよ。 約束どおりラケルをください。 彼女といっしょにさせてください。」

創世記 29