1-2. さて、サラはカナンの地、ヘブロンにいた時、百二十七歳で死にました。 アブラハムが泣き悲しんだことは言うまでもありません。
10. うまいぐあいに、エフロンもそこに居合わせました。 アブラハムの願いを聞くと、彼はさっと立ち上がり、一同の前で言いました。 町中の人々の前で、はっきり申し出たのです。
11. 「わかりました。 あのほら穴と畑地は、ただで差し上げましょう。 さあ、みんなも聞いただろう。 お金はけっこうです。 ご自由に奥様を葬ってください。」
12. アブラハムはもう一度人々におじぎをし、
13. 一同の前でエフロンに答えました。 「ただだなんて、それはいけませんよ。 ぜひ売ってください。 代金は耳をそろえてお払いします。 埋葬はそれからにさせてください。」
14-15. 「そんなにおっしゃるなら……、ざっと見積もって銀貨四百枚ほどの値打はあると思いますが。 ま、そのくらいの金額なら、友だち同士の間じゃ、どうってこともないでしょう。 それでよろしければ、どうぞ奥様を葬ってください。」
16. アブラハムは言い値どおり、銀貨四百枚を払いました。 それが当時の相場でした。
17-18. これでもう、マムレに近いマクペラにあったエフロンの畑地とそのはずれのほら穴は、アブラハムのものです。もちろん、そこに生えている木も全部です。 町の門で、ヘテ人の証人を前に正式に契約を交わし、アブラハムの財産と認められたのです。