1. 神様の約束にもかかわらず、サライとアブラムには、なかなか子供ができません。 そこでサライは、ハガルというエジプト人の召使を、
4. アブラムはハガルといっしょになり、やがて彼女は妊娠しました。 ところが、そのことがわかると、とたんに傲慢になり、女主人のサライに横柄な態度をとるようになったのです。
5. サライはアブラムに食ってかかりました。 「みんなあなたが悪いんですよ。 召使ふぜいにまでばかにされちゃ、私の立場がないわ。いったいだれのおかげで、あなたといっしょになれたと思ってるのかしら。 元はと言えば、あなたのせいよ。 こうなったら、どちらの言い分が正しいか、神様に決めていただきましょう。」
6. 「まあまあ、そこまでしなくても、あの娘はおまえの好きなように罰したらいいじゃないか。」 それならと、サライはハガルを気のすむまでいじめ抜きました。 もうとても我慢できません。 ハガルは逃げ出しました。
7. ようやく、シュルへ通じる道路わきにある砂漠の泉のそばまでたどり着いた時、神様の使いが彼女を見つけました。
8. 「サライの召使ハガルよ、どこから来て、これからどこへ行くつもりなのだ。」「女主人のところから逃げ出して来たのです。」
13. そののちハガルは、神様のことを「私を顧みてくださる神様」と呼ぶようになりました。 彼女に現われたのは、実は神様ご自身だったのです。 「私は神様を見たのに死にもせず、こうして、そのことを人に話すこともできるわ」と、彼女は言いました。
14. のちにその井戸は、「私を顧みてくださる生けるお方の井戸」と名がつきました。 それはカデシュとベレデの間にあります。
15. やがて、ハガルはアブラムの子供を産み、アブラムはその子をイシュマエルと名づけました。
16. その時、アブラムは八十六歳でした。