3. 「どうか、先生もいっしょに行ってください。」「わかった。 行こう。」
4. こうして、一行はヨルダン川に着き、木を切り倒しにかかりました。
5. ところが運悪く、一人が斧の頭を川に落としてしまったのです。「先生、たいへんです。 あの斧は借り物なんです!」
6. 「どこへ落とした。」 彼がその場所を教えると、エリシャは一本の枝を切り、そこへ投げ込みました。 すると、斧の頭が水面に浮かび上がったのです。
7. 「さあ、つかめ!」と言われて、彼は手を伸ばしてつかみ上げました。
8. シリヤの王がイスラエルと戦っていた時のことです。 王は家来たちに、「これこれの所に兵力を集めよう」と言いました。
9. すると、すぐさまエリシャはイスラエルの王に、「あの場所へは近寄りませんように。 シリヤ軍が集結しようとしています」と警告しました。
26-30. ある日、イスラエルの王が町の城壁の上を歩いていると、一人の女が、「陛下、お助けください!」と叫び求めました。「神様がおまえを助けてくださらないのに、わしに何ができよう。 食べ物もぶどう酒もやれんぞ。 それにしても、いったいどうしたのか。」「実は、この女が私に、『きょうはあなたの子供を食べ、あすは私の子供を食べましょう』と言ったのです。 それで、二人して私の子供を煮て食べました。 次の日、私が、『さあ、今度はあなたの子供の番よ』と言うと、この女は子供を隠してしまったのです。」なんということでしょう。 王はあまりのひどい話に、服を引き裂きました。 それを見ていた人々は、王が下に荒布をまとっているのを知りました。
31. 王は誓って言いました。 「きょう、わしがエリシャの首をはねないなら、神様がわしの首をはねてくださるように。」
32. 王がエリシャを呼び出す使者を立てた時、エリシャは家の中に座って、イスラエルの長老たちと話し合っていました。 ところが、使者が到着する前に、エリシャは長老たちにこう話しました。 「あの人殺しが、わしを殺そうと使者をよこした。 来ても、戸をしっかり閉め、中に入れてはならん。 本人がすぐあとからやって来るからだ。」
33. 話し終わらないうちに、使者が到着しました。 〔そのあとには王が続いていたのです。〕王は声を荒立てて言いました。 「神様はこんなひどいことをなさった。 もうこれ以上、神様の助けなど期待できん。」