列王紀下 6:1-2-17 リビングバイブル (JLB)

1-2. ある日、預言者学校の生徒たちが、エリシャのところへ来て言いました。 「校長先生、ご覧のように、寄宿舎が手狭になりました。 ヨルダン川のそばには、材木がたくさんありますから、そこに新しい寄宿舎を建ててはいかがでしょう。」「よかろう。 そうしなさい。」

3.  「どうか、先生もいっしょに行ってください。」「わかった。 行こう。」

4.  こうして、一行はヨルダン川に着き、木を切り倒しにかかりました。 

5. ところが運悪く、一人が斧の頭を川に落としてしまったのです。「先生、たいへんです。 あの斧は借り物なんです!」

6.  「どこへ落とした。」 彼がその場所を教えると、エリシャは一本の枝を切り、そこへ投げ込みました。 すると、斧の頭が水面に浮かび上がったのです。 

7. 「さあ、つかめ!」と言われて、彼は手を伸ばしてつかみ上げました。

8.  シリヤの王がイスラエルと戦っていた時のことです。 王は家来たちに、「これこれの所に兵力を集めよう」と言いました。

9.  すると、すぐさまエリシャはイスラエルの王に、「あの場所へは近寄りませんように。 シリヤ軍が集結しようとしています」と警告しました。

10.  イスラエルの王は、エリシャの言うことがほんとうかどうか確かめようと、斥候を出しました。 はたして、そのとおりです。 こうして、エリシャはイスラエルを救いました。 こんなことが何回もあったのです。

11.  シリヤの王は首をかしげ、家来たちを呼んで、きびしく追及しました。 「この中に裏切り者がいる。 こちらの作戦を敵に通報している者がいるはずじゃ。」

12.  「陛下、私どもではございません。 預言者エリシャが、陛下が寝室でこっそりおっしゃることまで、イスラエルの王に告げているのでございます。」

13.  「そうか、では、そいつの居場所を突き止め、捕まえろ。」やがて、「エリシャがドタンにいる」という知らせが届きました。

14.  そこで、ある夜、シリヤの王は戦車と馬で武装した大軍を差し向け、ドタンを包囲しました。 

15. 翌朝はやく、預言者のしもべが起きて、外に出てみると、どうでしょう。 馬と戦車で固めた大軍が、ぐるりと取り巻いているではありませんか。思わず、大声で叫びました。 「ああ、だんな様ーっ。 ど、どうしたらよいでしょうか。」

16.  「恐れるな。 わしらの軍隊は彼らよりも多く、強いのだ。」

17.  こう言って、エリシャは祈りました。 「神様、どうか、彼の目を開いて、見えるようにしてください。」 すると、神様が若者の目を開いてくださったので、火の馬と火の戦車が山の上に目白押しに並んでいるのが見えました。

列王紀下 6