列王紀下 4:18-36 リビングバイブル (JLB)

18.  その子が大きくなったある日、小作人といっしょに働いている父親に、会いに出かけました。 

19. その時、子供はしきりに頭痛を訴え、苦しみ始めたのです。 父親は下男に、「抱いて母親のところへ連れて行け」と言いつけました。

20.  その子は家へ連れ戻され、母親のひざに抱かれていましたが、昼ごろに息を引き取りました。 

21. 彼女は子供をかかえて預言者のベッドに運び、戸を閉めました。 

22. それから、夫に使いをやって、「どうぞ、下男にろば一頭をつけて寄こしてください。 急いで、あの預言者様のところへ行って来ます。」

23.  「どうしてまた、きょうなどと? 特別な祝日でもないのに。」「でも、どうしても行きたいのです。」

24.  彼女はろばに鞍を置くと、下男にこう言いつけました。 「うんと急いでおくれ。 私の指示のないかぎり、手綱はゆるめなくていいのよ。」

25.  カルメル山に近づいて来る彼女を、エリシャは遠くから見つけ、ゲハジに言いました。 「見なさい。 あのシュネムのご婦人が来る。 

26. さあ、走って行って出迎え、何があったのか聞いてみるのだ。 ご主人やお子さんはお元気かどうかもな。」彼女はゲハジに、「ありがとうございます。 別に変わりはございません」とだけ答えました。

27.  ところが、山の上にいるエリシャのそばまで来ると、彼女はひれ伏し、彼の足にすがりつきました。 ゲハジが払いのけようとすると、預言者は言いました。 「そのままにさせておきなさい。 何か大きな悩みがあるに違いない。 それが何であるか、神様はまだお告げになっていないのだ。」

28.  「私に子供が生まれると言われたのは、あなた様です。 その時、おからかいにならないでください、と申し上げたはずです。」

29.  これを聞いたエリシャは、ゲハジに命じました。 「大急ぎで、わしの杖を持って行って、あの子の顔の上に置くのだ。 途中、だれに会っても話をするな。 急げ!」

30.  その子の母親が、「神様にかけて申します。 あなた様とごいっしょでなければ、家へ帰りません」と言うので、エリシャは彼女といっしょに出かけました。

31.  ゲハジは先に行って、杖を子供の顔の上に置きましたが、何の変化も起こりません。 そこで引き返して、エリシャに、「あの子は死んだままです」と報告しました。

32.  エリシャが着いてみると、なるほど子供は死んでいて、ベッドに寝かされています。 

33. 彼は中に入り、戸を閉めて、神様に祈りました。 

34. それから小さいなきがらの上に体をかぶせ、自分の口を子供の口に、自分の目を子供の目に、自分の両手を子供の両手に重ねました。 すると、子供の体がだんだん温かくなってきました。 

35. ここで、いったん降り、部屋の中を、何回か行ったり来たりして、またベッドに戻り、子供の上に体をかぶせました。 すると、子供は七回くしゃみをして、目をぱっちりと開いたのです。

36.  預言者はゲハジを呼んで、「奥さんを呼んで来なさい」と命じました。 彼女が入って行くと、エリシャは、「ほら、お子さんですよ」と声をかけるではありませんか。

列王紀下 4