14. 「神様にかけて言っておきます。 ユダのヨシャパテ王がいなかったら、こんなことに首をつっ込む気は、さらさらなかったんですがね。
15. ま、しかたがない、竪琴をひく者を連れて来てください。」竪琴がひき鳴らされると、エリシャに神様のお告げがありました。
16. 「このかわいた谷に溝を掘れ。 わたしがそこに水を満たす。
17. 風も吹かず、雨も降らないのに、谷は水であふれ、おまえたちも家畜も、十分に飲むことができる。
18. だが、これはまだ序の口だ。わたしはモアブ軍を破り、おまえたちに勝利を与える。
19. おまえたちは城壁で囲まれた最上の町々を占領し、良い畑をみな、石ころで台なしにする。」
20. 翌日、朝のいけにえがささげられるころ、水がエドムの方から流れて来て、あたり一面を水浸しにしました。
21. そのころ、モアブ人は、連合軍が攻めて来ると聞き、老いも若きも、戦うことのできる男子を総動員して、国境の守備を固めました。
22. ところが、翌朝はやく起きてみると、太陽が水面を真っ赤に照らしているではありませんか。
23. 彼らは思わず、「血だ! 連合軍が、同士討ちをしたに違いない。 さあ、出て行って戦利品を集めよう」と叫びました。
24. こうして、彼らがイスラエル陣に攻め込むと、イスラエル軍が飛び出して来て、モアブ人を片っぱしから殺し始めたのです。 たちまちモアブ軍は総くずれです。 ここぞとばかり、イスラエル軍はモアブの地に攻め込み、手あたりしだいに破壊してしまいました。
25. 町を廃墟とし、すべての良い畑に石を投げ、井戸をふさぎ、実のなる木を切り倒しました。 キル・ハレセテの要害が最後まで残っていましたが、そこもついに、イスラエル軍の手に落ちたのです。
26. モアブの王は勝ち目がないとわかると、七百人の抜刀隊を率い、エドムの王のところへ突入しようとしましたが、それも失敗に終わりました。
27. そこで、世継ぎの長男を城壁の上で殺し、完全に焼き尽くすいけにえとしてささげたのです。 これを見たイスラエル人は、ぞっとして気分が悪くなり、国へ引き揚げて行きました。