8. エリヤが外套を丸めて、ヨルダン川の水を打つと、川の水が分かれたので、二人はかわいた土の上を渡って行きました。
9. 向こう岸に着くと、エリヤはエリシャに言いました。 「わしが天に行く前に、どんなことをしてやろうかの。」「どうぞ、先生の二倍の預言の力を、お授けください。」
10. 「難しいことを注文するものだ。 わしが取り去られる様子を見ることができたら、願いはかなえられるぞ。 じゃが、見られなければだめじゃな。」
11. 二人が話しながら歩いていると、突然、火の馬に引かれた火の戦車が、二人の間に割り込みました。 こうして、エリヤはたつまきに乗って天にのぼって行ったのです。
12. エリシャはその姿をじっと見つめ、「わが父! わが父! イスラエルの戦車と騎兵よ!」と絶叫しました。エリヤの姿が見えなくなると、エリシャは着物を引き裂きました。
15. エリコの若い預言者たちはこれを見て、口々に「エリヤの霊がエリシャに臨んだ!」と叫び、エリシャを迎えに出て、ていねいにおじぎしました。
16. 「お許しをいただければ、五十人の屈強な連中にエリヤ先生を捜しに行かせます。 おそらく、神の御霊が先生を運んで、どこかの山か谷に置き去りにされたのでしょうから。」「どうか、そんなことはしないでくれ。」
17. ところが、彼らがあまりにもしつこく言うので、ついにエリシャも根負けして、「ま、いいだろう。 そうしなさい」と折れました。 そこで、五十人の男が三日間、手分けして捜しましたが、エリヤの姿はどこにも見あたりません。
18. すごすご引き返して来ると、エリシャはまだエリコにいて、「だから、あれほど、行くなと言っただろう」としかりつけました。