16. 神様の命令なんかどこ吹く風とばかり、金で鋳込んだ二つの子牛像を作りました。 さらに、恥ずべき忌まわしい像を作り、バアルを礼拝し、太陽や月や星を拝みました。
17. また、息子や娘さえ焼き殺して、モレクの祭壇にささげるやら、占いやまじないに走るやらで、悪の限りを尽くしたのです。 こんなことをして、神様の激しい怒りを買わないわけがありません。
18. とうとう神様は、ユダ部族だけを残して、イスラエル国民を一掃してしまわれたのです。
19. ところで、神様の命令を守ろうとしないのは、ユダも同じでした。 イスラエルがたどった悪の道を、ユダも進みました。
20. そこで神様は、ヤコブのすべての子孫を見限り、侵略者の手に渡し、ついに打ちのめしてしまわれました。
21. イスラエルはダビデ王朝から分離すると、ネバテの子ヤロブアム一世を王に迎えました。 このヤロブアム王がイスラエルを神様から引き離し、いっそう大きな罪に誘い込んだのです。
22. イスラエル国民は、王の持ち込んだ悪から離れようとしませんでした。
23. それで、ついに神様は、彼らを一掃してしまわれたのです。 預言者によって警告されたとおり、イスラエル国民はアッシリヤに連れ去られ、今なおそこにとどまっています。
24. アッシリヤ王は、バビロン、クテ、アワ、ハマテ、セファルワイムの住民を連れて来て、サマリヤの町々に住まわせました。 こうして、サマリヤをはじめイスラエルの町々は、アッシリヤ人のものとなったのです。
25. アッシリヤからの移住者は、初め、神様を礼拝しませんでした。 それで、神様はライオンを送り込み、幾人かを噛み殺させたのです。
26. 移住者はアッシリヤ王に使者を立て、こう報告しました。 「私たちイスラエルに植民した者は、この地の神の教えを知りません。その神がライオンを送り込んで、私たちを滅ぼそうとしました。 その神を礼拝しなかったからです。」
27-28. 王は、サマリヤから捕らえ移した祭司をイスラエルに帰らせ、新しい住民に、神様のおきてを教えることにしました。 そんなわけで、祭司の一人がベテルに帰り、バビロンからの移住者に、神様を礼拝する方法を教えました。
29. それでも、移住者たちは、同時にめいめいの神をも拝んだのです。 神の像は自分たちが住む町の近くにある、丘の上の礼拝所に安置しました。
30. バビロンから来た人々はスコテ・ベノテ神、クテから来た人々はネレガル神、ハマテから来た人々はアシマ神というぐあいにです。
31. アワ人はニブハズ神とタルタク神の像を拝み、セファルワイムから来た人々は、アデラメレク神とアナメレク神の祭壇に、わが子を火で焼いてささげました。
32. 彼らは、一方ではイスラエルの神様を礼拝し、他方では同僚の中から祭司を任命して、丘の上の祭壇でいけにえをささげさせました。
33. このように、いぜんとして、出身国の宗教慣習を守り続けていたのです。
34. この傾向は今も残っています。 彼らは、心から神様を礼拝するのでもなく、のちにイスラエルと改名したヤコブの子孫に与えられた、神様の教えを守るのでもなく、ただ、昔からの故国の風習に従っていただけです。
35-36. 神様がヤコブの子孫と結ばれた契約によると、彼らは異教の神々を礼拝したり、これにいけにえをささげたりすべきではなかったのです。 彼らは、驚くべき力と奇蹟によって、エジプトから連れ出してくださった神様だけを、礼拝すべきでした。
37. ヤコブの子孫は、神様のおきてをぜんぶ守り、どんなことがあっても、ほかの神々を礼拝してはならなかったのです。
38. それというのも、神様がこう命じたからです。 「わたしがおまえたちと結んだ契約を忘れて、ほかの神々を礼拝してはならない。