列王紀上 3:11-28 リビングバイブル (JLB)

11. そこで、こうお答えになったのです。 「おまえは国民を正しく治める知恵を求めて、長生きすることや財産、または敵に勝つことを願わなかった。 

12. だから、望んだものを与えよう。 それも、ずば抜けた知恵を。 

13. また、望まなかった財産と名誉も授けよう。 おまえが生きている間、財産と名声でおまえにかなう者は、だれもいないだろう。 

14. それだけでなく、おまえの父ダビデのように、わたしの教えを守り、わたしに従うなら、うんと長生きさせる。」

15.  ここで、はっと目が覚めました。 今までのことは夢だったのです。 ソロモンはエルサレムに帰ると、さっそく神の天幕に入って契約の箱の前に立ち、完全に焼き尽くすいけにえと和解のいけにえをささげました。 そして役人たちを招き、盛大な祝宴を開いたのです。

16.  それからしばらくして、二人の売春婦が、もめ事を解決してもらおうと、王のところへやって来ました。

17-18. 一人がこう訴えました。 「王様、私たちは二人で同じ屋根の下に暮らしています。 最近、私は子供を産みました。 三日後に、この女も産みました。 

19. ところが、夜中に、この女の子供は死んだのです。 寝ているうちに、この女が子供の上になり、窒息させたのです。 

20. するとこの女は、私の子を取って自分のそばに寝かせ、死んだ子を私の腕に抱かせたのです。 

21. 朝、お乳を飲ませようとすると、子供は死んでいるではありませんか! しかも、明るくなってからよく見ると、私の子ではありません。」

22.  もう一人の女が口をはさみました。 「とんでもない。 死んだのは、まちがいなくこの女の子で、生きているほうが私の子です。」「違うわ。 死んだ赤ちゃんがあんたので、生きているのが私のよ。」 先の女も、負けずに言い返します。 二人は王の前で言い争ったのです。

23.  そこで、王が中に入りました。 「おまえたちは二人とも、生きているのが自分の子で、死んだのは相手の子だと言いはっている。

24-25. だれか、刀を持って来い。」 刀を受け取った王は、こう言いました。 「生きている赤ん坊を真っ二つにして、半分ずつ分けてやれ。」

26.  すると、生きている子供のほんとうの母親は、その子を目に入れても痛くないほどかわいがっていたので、大声で叫びました。 「王様、おやめください! だったら、いっそ子供をあの女にやってください。 どうか、殺さないでください!」ところがもう一人は、平気な顔で言い放ちました。 「けっこうですわ。 真っ二つにでも何でもして、私のものでも、この女のものでもないようにしてください。」

27.  これを聞いた王は、きっぱり申し渡しました。 「子供を、殺さないでくれと頼んだ女に渡せ。 その女こそ実の母親だ。」

28.  この名裁判のことは、たちまち国中に知れ渡りました。 国民はみな、神様がソロモンに、すばらしい知恵をお与えになったことを知って、厳粛な思いに打たれたのです。

列王紀上 3