17. 「どうか、ソロモン王にお願いしてください。 あなた様のお口添えがあれば、王は何でもかなえてくださるはずです。 実は、シュネム人アビシャグを妻に欲しいのです。」
18. 「わかりました。 お願いしてみましょう。」
19. そこでバテ・シェバは、ソロモン王に頼みに出かけました。 王は彼女が入って行くと、王座から立ち上がり、深く一礼しました。それから、自分の右に席を設けるように命じ、彼女をそこに座らせました。
20. 「ちょっとしたお願いがあります。 ぜひ、聞き届けてください。」「母上、どんなことでしょう。 何なりとうかがいましょう。」
21. 「あなたの兄アドニヤとアビシャグの結婚を許してほしいのです。」
22. 「何ですって? 気でも狂われたのですか。 アビシャグをアドニヤに与えるなんて、王国を与えたも同然じゃありませんか。 彼は私の兄ですよ。 そんなことをしたら、彼は祭司エブヤタルやヨアブ将軍と組んで、私を出し抜くに決まっています。」
23-24. 王は激しく怒りました。 「反逆を企てたアドニヤをこの日のうちにしまつしなかったら、神様が私を打ち殺してくださるように! 父上の王座を私に与え、約束どおり王国を確立してくださった神様にかけて、このことを誓っておく。」
25. 王から、アドニヤを処刑する役を仰せつかったベナヤは、剣でアドニヤを殺しました。
26. それから王は、祭司エブヤタルに命じました。 「アナトテの実家へ帰れ。 おまえも殺されて当然だが、今は、そうしたくない。父が王位にあった時、おまえはいつも神の箱をかつぎ、父と苦難を共にしてきたからだ。」